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2015 年度 実績報告書

8-11世紀イングランド統一過程再考とブリテン諸島史、ヨーロッパ中世史への再定位

研究課題

研究課題/領域番号 13J06606
研究機関東京大学

研究代表者

内川 勇太  東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードアングロ・サクソン / ブリテン / 初期中世 / マーシア / イングランド / 王権
研究実績の概要

本年度は研究会での報告、論文・新刊紹介の執筆・投稿、史料翻訳を行った。
王権の伸長過程に関しては、ウェセックス王権の拡大の中でとりわけ重要な時期の一つである「アングロ=サクソン人の王国」の時期(c.880-927)における王国集会に着目して研究を行った。従来この時期はウェセックスの支配がマーシア地域に拡大した時期とされてきたが、両地域の関係性はウェセックス王とマーシアの支配者であるエセルレッド・エセルフレド夫妻との間の関係性に終始し、特に後二者の権力の制限とウェセックス王権による統治への協力が語られてきた。その議論においては当時のマーシア地域の統治実態が見えてこなかったが、エセルレッド夫妻によって開催されたマーシア人の王国集会に着目することで、この時期のマーシア地域の統治実態の具体相を描き出すことができた。その結果ウェセックス王権は、既存の統治機構に変えて、自らの支配をマーシア地域に押し付けたのではなく、むしろマーシア人の集会の十全な働きにマーシア地域の統治を委ね、その集会に選択的に介入することで、マーシア地域への支配権の拡大を円滑に行い得たことが判明した。
貴族と教会についても、上記の「アングロ=サクソン人の王国」の時期のウェセックスとマーシアの聖俗諸侯が基本的には別個の集団を形成しており、それぞれがウェセックス王、エセルレッド夫妻と共同で集会を通じてそれぞれの地域を統治していたことが確認された。一方でこの時期両地域の聖俗諸侯は集会、宮廷、共同の軍事行動を通じて交流する機会が増大し、婚姻関係を通じて両地域に利害関係を持つ者が増加するにしたがって、両地域の統合とその先にあるイングランド王国の形成に際して、それを橋渡しする役割を果たしたことが明らかになった。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] アングロ=サクソン期の王国集会2015

    • 著者名/発表者名
      内川勇太
    • 学会等名
      「7-10世紀西ユーラシアにおける諸文化圏の交錯と重層性」研究会
    • 発表場所
      青山学院大学(東京都・渋谷区)
    • 年月日
      2015-11-29 – 2015-11-29
  • [学会発表] アングロ=サクソン期の集会:エセルレッド・エセルフレド治世2015

    • 著者名/発表者名
      内川勇太
    • 学会等名
      西洋中近世社会生活史研究会
    • 発表場所
      お茶の水女子大学(東京都・文京区)
    • 年月日
      2015-10-23 – 2015-10-23
  • [図書] 『ヴァイキングからノルマン人へ』(オックスフォードブリテン諸島の歴史第3巻)2015

    • 著者名/発表者名
      ウェンディ・デイヴィス[編]、鶴島博和[日本語版監修・監訳]、内川勇太他訳
    • 総ページ数
      448ページ
    • 出版者
      慶應義塾大学出版会

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公開日: 2016-12-27  

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