研究課題/領域番号 |
13J06653
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
秦 龍ノ介 九州大学, 工学府, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 核磁気共鳴法 / 核偏極技術 / 分子プローブ |
研究実績の概要 |
本研究の目的である、個体での解析を可能にする新たな分子プローブの開発を目指し、疾病関連酵素をターゲットとする、核偏極技術を用いる核磁気共鳴分子プローブの開発を行った。疾病関連酵素の中でもペプチダーゼに注目し、ペプチダーゼをターゲットとする分子プローブの開発を行っている。 ペプチダーゼは、がん等の様々な疾病との関連が示唆されている酵素であり、この酵素を解析することができれば診断等への応用が期待できる。ペプチダーゼを解析するために様々なアプローチが試みられてきたが、マウスや人といった個体内のペプチダーゼを解析は難しい。そのため、個体の解析に向けた新たな分子プローブが求められている。 今年度の研究計画では、昨年度までに設計した分子プローブの評価を行うことが目標であった。実際に分子プローブの緩和時間、酵素反応速度などを詳細に評価することができた。その結果、本研究で開発した分子プローブは、ターゲットの酵素と比較的速く、選択的に反応することが分かった。この結果は、生体環境においても選択的にターゲットの酵素を検出できることを示している。また、核偏極(高感度化)状態における評価も進めることができた。まず、高感度化状態において分子プローブのシグナルが大幅に向上することを確かめた。さらに、高感度化した分子プローブを用いて、組織破砕液中の酵素活性を検出することにも成功した。これらの結果から、本研究によって開発した分子プローブによって、ターゲットの酵素を解析できることを確認できた。今後は、最終的な目標である個体での解析を実現するためにさらに詳細な解析を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究計画では、昨年度までに開発した分子プローブの評価を行うことが目標であった。実際に、詳細な評価を行い、有力な分子プローブを見出すことができた。また、昨年度行うことができなかった高感度化状態での実験も進めることが出来たため、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、最終目標である生体での酵素活性の検出を目指し、実験条件や偏極法の最適化を行う。また、これまでに得られた知見を元に分子プローブの改善に取り組む。有力な分子プローブをいくつか準備し、それらの分子プローブによる生体での酵素活性の検出に取り組む。 もしこれらの分子プローブによって、生体での解析を行うことが出来なかった場合、問題点を抽出して、次の分子プローブの設計にフィードバックする。必要であれば、ターゲットの酵素を変更し、新たな分子プローブを開発する。
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