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2014 年度 実績報告書

アクセントの平板化現象から見た日本語の韻律的特性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13J07011
研究機関大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所

研究代表者

儀利古 幹雄  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 時空間変異研究系, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードアクセント / 平板化 / 社会言語学
研究実績の概要

本研究では、日本語の複合名詞のアクセントに焦点を当て、その平板化の進行程度や地域差、性差などについて調査した。また、話者の属性に代表される言語外的要因のみならず、言語構造的な言語内的要因も視野に入れ、日本語複合名詞のアクセントの平板化を引き起こす要因について統計的に分析した。具体的には、「町」を後部要素とする複合名詞に焦点を当てて、調査を行った。
当該年度までに東京方言における「町」を後部要素とする複合名詞(例:山田町、曽根崎町)のアクセントの平板化については調査済であった。その結果は、確かに話者の年代が下れば、町名が平板型アクセントで発音される頻度は高くなるが、どのような構造の町名でも平板化するわけではなく、そこには言語内的要因が強く影響しているということを示唆するものであった。
当該年度は上記の研究からさらに視野を広げ、東京方言のみならず「名古屋方言」や「鳥取県倉吉方言」などについても発話調査を実施した。その結果、東京方言 > 名古屋方言 > 倉吉方言の順で、アクセントの平板化の程度は下がっていくことが明らかになった。つまり、町名は東京で最も平板型で発音されやすく、逆に倉吉方言ではまだ起伏型で発音される割合が高いということである。ただ、(1) 話者の年齢が下れば平板型生起頻度が上昇することと、(2) 男性よりも女性のほうが平板化を起こしやすいということはどの地域にも共通して観察される傾向であった。また、地域は異なれど、同様の言語内的要因が同程度アクセントの平板化に影響を及ぼしていることも明らかになった。
また、全体の結果に対してロジスティック回帰分析を行った結果、アクセントの平板化に対する影響力の差も明らかになった。その中でも最も重要なのが、言語外的要因よりも言語内的要因のほうが、アクセントの平板化に対してより強い影響力を有するということである。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 鳥取県倉吉方言における地名のアクセント-尾高型アクセントに注目して-2014

    • 著者名/発表者名
      桑本裕二・儀利古幹雄
    • 学会等名
      日本言語学会第149会大会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      2014-11-15 – 2014-11-16
  • [学会発表] 町名のアクセントの平板化 - 東京方言、名古屋方言、倉吉方言の比較 -2014

    • 著者名/発表者名
      儀利古幹雄・竹安大
    • 学会等名
      日本言語学会第149会大会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      2014-11-15 – 2014-11-16
  • [学会発表] 鳥取県倉吉方言における苗字のアクセント―標準語アクセントと異なるものの分布と変化―2014

    • 著者名/発表者名
      桑本裕二・儀利古幹雄
    • 学会等名
      音韻論フォーラム 2014
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2014-08-20 – 2014-08-22

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公開日: 2016-06-01  

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