研究課題/領域番号 |
13J07098
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 真一 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 手術支援ロボット / 顕微鏡下微細手術 / 機械学習 / 自動認識 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,微細な組織を対象とした顕微鏡下微細手術において,安定して最良の手術成績を収めることができるロボット支援システムの開発である.このような支援システムは,手術器具の動かし方や組織への力のかけ方が理想的なものとなるように,医師の動作を自動的に修正することにより実現できると考えられ,そのためには医師がどのような動作を行っているかを,ロボット側が認識している必要がある.そこで,本年度は医師の手術動作において,どのタスクを行っているかを自動的に認識する手法の開発に取り組んだ.本研究では,顕微鏡下微細手術の中でも特に複雑な動作を要求される血管の吻合動作におけるタスク認識を行った. タスクの認識は,どのようにタスクが遷移するかに関するタスク遷移のモデルおよび,各タスクにおいて術具がどのように動作するかという動作モデルの2つを構築することにより行った.タスク遷移のモデルは,機械学習により状態遷移のモデルを行うことができる隠れマルコフモデルによりモデル化を行った.動作のモデル化に関しては,時間変化するデータのモデル化を行うことができるベクトル自己回帰モデル,あるいはデータの分類が可能なRandom Forestによりモデル化を行った. 学生1名を被験者とした実験より,15回の吻合動作に対して70~80%の平均認識率が得られ,提案手法の有効性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の当初の予定では,血管吻合動作におけるタスク認識を行う予定であった.それに対し,タスク認識手法の提案を行い,工学部学生1名による実験を通して提案手法の有効性を確認することができた.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,タスク認識手法を提案し実験を行ったが,現在被験者の数が1名であるため被験者数を増やすことで個人間のばらつきが認識率に与える影響の調査を行う.また,本手法および昨年度提案した術具認識手法に,ロボットの制御を組み合わせることで目標とする手術支援システムの構築に取り組む予定である.
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