研究課題
・韓国で行われたIEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conferenceに参加し、SGDコンプトンカメラのイベント再構成アルゴリズム、およびEMによる実証結果についての口頭発表を行った。・NASAのゴダード宇宙飛行センターのソフトウェアチームと数回にわたる顔合わせ会議を行い、実際に衛星のデータ解析ソフトウェアで用いられることになるFITS形式ファイルやデータベースファイルのフォーマット、アルゴリズムの詳細を議論した。実際にソフトウェアを実装するエンジニアと開発したアルゴリズムの実装について話し合った他、SGD検出器チーム側としてEM実験結果やモンテカルロシミュレーションに基づくフォーマット準拠のテストファイルを制作、提供した。・衛星システムからすべての検出器サブシステムを統合して動作検証を行う第一次噛み合わせ試験に向けた、SGDサブシステム噛み合わせ試験に参加している。3台のコンプトンカメラに加えアクティブシールドを初めて統合したSGDのシステムを試験運用し、得られたデータの妥当性や性能評価等のデータ解析を主導している。・511keV対消滅放射をはじめとする種々の宇宙ガンマ線ラインに対し、SGDで到達できる点源感度をフルシミュレーションで見積もった。この他に、サイエンスの観点からは、銀河団からはこれまで一度もガンマ線が検出されていないことを受け、SGDの高い感度によって初めてガンマ線が観測される可能性などを議論すべく銀河団のデータ解析を行っている。
2: おおむね順調に進展している
モンテカルロシミュレータ作成、アルゴリズム開発ともに一段落し、検証も行っており、おおむね順調である。
ソフトウェアチームの開発したデータ解析ソフトウェアを、自ら開発したソフトウェアとクロスチェックし、正しくアルゴリズムが適用されているかを詳細に調べてゆく。第一次噛み合わせ試験では、キャリブレーションをはじめとするデータ解析を主導する。ガンマ線ライン放射や偏光に加え、銀河団のデータ解析も続け、SGDで新しく可能となるサイエンスについてはさらに詳しく検証してゆく。
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放射線
巻: Vol.39, No.4 ページ: 159、170