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2013 年度 実績報告書

X線結晶構造解析を基盤としたマグネシウムイオン輸送体MgtEの開構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13J07168
研究機関東京大学

研究代表者

竹田 弘法  東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードX線結晶構造解析 / 二価カチオン取り込みアセイ / Mg輸送体MgtE
研究概要

MgtEはMgが通過するイオン透過孔を膜貫通部位に保持しているD432はMgに対する選択フィルターとして機能していることが報告されているが、分解能が不十分なため、Mgをどのように認識しているかは不明であった。そのため、Mgに配位する水和水を確認することができる高分解能構造を決定することが重要である。TMDのみを有するMgtEを用いた、脂質二重膜中における結晶化法(LCP法)による結晶化を試みた。その結果、Mg存在下において結晶が生成し、2.2Åまで分解能が向上した。この結晶のX線解説増を基に分子置換により構造を決定したところ、イオン透過孔に存在するMgは六水和状態の正八面体構造を取っていた。さらに選択フィルターD432はMgに配位する水和水を認識していることが明らかとなった。さらに、リポソームを用いた二価カチオン取り込みアセイを行った。すると、水和イオン半径がMgに近い二価カチオンほどMgtEによる取り込みが高いことから、MgtEはMgを基準として、水和イオン半径に基づいたイオン選択性を示すことが明らかとなった。
これまでMgtEの開構造の解明には至っていない。我々は、Mg存在下で高い開状態確率を示す、Nドメインを欠失させた変異体MgtE(ΔN-MgtE)が開状態の結晶構造の決定に有用であると考えていた。そこで、京都大学岩田研究室と共同研究により、抗ΔN-MgtE抗体とΔN-MgtEとの共結晶を試みた。すると、Mg比存在下で結晶が生成した。Mg比存在下で結晶が得られたことは、MgtEが開状態であることを示唆する結果であるため、MgtEの開構造の決定が多いに期待できると考えている。今後、界面活性剤の種類や蒸気拡散法、そしてLCP法によ結晶化を行うことにより、MgtEの開構造の決定に挑戦する。これによりMgtEのマグネシウムイオンの輸送機構の全貌が解明される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Mg輸送体MgtEのイオン認識メカニズムの解明に向けた、高分解能構造の決定は、採用初年度(H25 年度)に完了する予定であったが、Mgに加え、MgtEの阻害剤イオンであるMn及びCaとの共結晶構造の決定、そしてリポソームを用いた二価カチオン取り込みアセイ系の確率を加えたことにより研究期間が延長した。しかし、上記二つの追加実験はいずれも成功しており、MgtEのイオン認識メカニズムの解明に重要な知見を得るに至った。現在はMgtEの開構造の解明に向け、抗体とMgtEとの共結晶化に成功しており、開構造の決定に大いに期待できると考えている

今後の研究の推進方策

MgtEのイオン認識メカニズムについては論文を近日投稿する予定である。MgtEの開構造の解明に向けた研究では、抗体とMgtEとの予備的な結晶が得られており、今後この結晶を大型放射線施設にて反射データを解析するとともに、より良質な結晶の作製に向け研究を進めていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Structural basis for the recognition of a fully-hydrated Mg2+ by the Mgchannel MgtE.2014

    • 著者名/発表者名
      竹田 弘法
    • 学会等名
      Ligand Recognition and Molecular Gating
    • 発表場所
      アメリカ ロサンゼルス
    • 年月日
      2014-03-24
  • [学会発表] Mg channel MgtEのイオン認識メカニズムにおける構造基盤2013

    • 著者名/発表者名
      竹田 弘法
    • 学会等名
      日本蛋白質科学会2013年会
    • 発表場所
      とりぎん文化会館(鳥取県鳥取市)
    • 年月日
      20130625-27

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公開日: 2015-07-15  

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