研究課題/領域番号 |
13J07194
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
浜下 大輔 東京工業大学, 大学院理工学研究科(工学系), 特別研究員(PD)
|
キーワード | シリコンカーバイド / ナノ結晶 / PEDOT:PSS / 太陽電池 / p型半導体 |
研究実績の概要 |
前年度は、p型ナノ結晶3C-SiC:H/n型結晶Si太陽電池構造におけるデバイスシミュレーションより、p層キャリア濃度を十分に高めることで、価電子帯側のバンドオフセット(ΔEv)が大きい同構造においても高い変換効率を達成できることが判明した。しかし同時に、このp型薄膜のキャリア濃度の向上とプラズマダメージに起因する界面欠陥の低減の両立が非常に困難であることが浮き彫りとなった。 そこで本年度は、p型ナノ結晶3C-SiC:Hに代わり、p型有機半導体であるPEDOT:PSSを用いたヘテロ接合n型結晶Si太陽電池を作製し、界面欠陥の抑制による開放電圧の向上を目標とした。同有機材料は高いキャリア濃度と透明性を有しており、低コストかつダメージフリーであるスピンコート法による製膜が可能である。さらに、ΔEvの値もp型ナノ結晶3C-SiC:Hと遜色ないことから、p層とレアメタルを含む透明導電膜の同時代替も実現可能である。そこで、PEDOT:PSSの高品質化及び同材料を用いた太陽電池構造における少数キャリアライフタイム測定を行った。その結果、ジメチルスルホオキシドを5%添加したPEDOT:PSSでは、硫酸処理後に導電率1844S/cm、膜厚96nmにてシート抵抗56Ω/□を達成した。この特性は既存の透明導電膜と遜色なく、レアメタルフリーの太陽電池用p型透明導電膜としての利用が期待できる。また、PEDOT:PSS/i-a-Si_<1-x>C_x:Hエミッタを用いた太陽電池構造において、p型ナノ結晶3C-SiC:H使用時と比較してライフタイムの値を約2倍である1312μsまで向上させることに成功した。上記の結果は、高効率ヘテロ接合n型結晶Si太陽電池の実現において、PEDOT:PSS/i-a-Si_<1-x>C_x:Hエミッタ構造が同太陽電池の高開放電圧化及び低コスト化を両立する可能性を示した成果である。
|
現在までの達成度 (段落) |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
|