研究課題/領域番号 |
13J07231
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高津 智子 九州大学, 大学院人文科学研究院, 特別研究員(DC2)
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キーワード | 欧州統合 / キリスト教民主主義政党 / トランスナショナル・ヒストリー / ドイツ / フランス |
研究概要 |
研究初年度である平成25年度は、次年度以降の研究計画を円滑に進められるように研究の基盤づくりを行った。まず、歴史学のみならず政治学・法学の研究文献を網羅的に収集・分析し、最新の研究動向を再把握した上で、本研究に必要な一次史料の再確認を行い、1940年代末から1950年代中頃にかけての西欧キリスト教民主主義政党のトランスナショナル・ネットワークの実態解明に取り組んだ。 実証的な研究のためにはマルチアーカイヴァルな手法での一次史料の探求・収集が不可欠であるため、フランス・イタリア・ドイツにおいて在外研究を行った。国立文書館(パリ近郊)ではフランスのキリスト教民主主義政党MRP幹部の私文書を、ヨーロッパ大学院のEU歴史文書館(フィレンツェ)ではキリスト教民主主義の国際協力組織「新国際エキップ」が参加した民間の欧州統合推進団体「ヨーロッパ運動」および欧州組織に関する史料を閲覧し、それぞれ許可を得てデジタル撮影を行った。また、連邦文書館(コブレンツ)ではドイツのキリスト教民主主義政党CDU幹部の私文書を、アデナウアー財団文書館(ボン近郊)では西欧キリスト教民主主義政党の秘密会談「ジュネーヴ・サークル」と、その財政的な基盤となった「キリスト教相互扶助」に関する史料を閲覧し、デジタル撮影が禁止されていたため複写を行った。これらの史料収集を通じて、本年度の研究目的である研究基盤の整備を順調に行うことができた。現在、これらの史料の分析を進めており、平成26年度中にその成果を論文としてまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、初年度である平成25年度は研究文献および一次史料の収集・分析に力を注いだ。反省点として研究発表の数が少ないことが挙げられるが、当初想定していたよりも順調に史料収集を行うことができたため、平成26年度中にはその成果を学会発表および論文として公表できる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通りに遂行する予定であるが、現在執筆中の論文も含めて査読付きの学会誌への論文投稿を行い、研究成果の発表に力を注ぎたい。また、再度史料収集のために在外研究を行う予定である。
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