研究課題/領域番号 |
13J07251
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川本 雄一 東北大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 衛星ネットワーク / センサネットワーク / ルーティング / リアルタイム性 / 効率性 |
研究実績の概要 |
近年,衛星センサネットワークを利用した災害予測や環境観測への期待が高まっており,東日本大震災を経て衛星センサネットワークによる地震観測や津波検知の実現が特に注目を集めている.衛星を用いたセンサネットワークでは,限られた衛星リソースの中で多数のセンサ端末との通信を実現する必要がある.そこで本研究では多数のセンサ端末から発生するデータを効率的に収集するための新しいメカニズムの開発を目指している. 本年度は,昨年度構築した提案方式の数学的モデルの改善に取り組んだ.実環境における衛星センサ間の通信をより詳細にモデリングするため,必要となる様々なパラメータをモデルに導入し,数値計算を用いた評価を繰り返し行った.また,評価実験の結果をモデル構築にフィードバックすることで,提案手法の精度向上にも努めた.この際,実際の衛星センサネットワークで用いられている機器の性能等を考慮することで,より実環境に適した方式の提案を行うべく検討に取り組んだ. また,本年度はさらに発展的な取り組みとして,地上センサ間での協調動作についての検討も開始した.爆発的にその数が増加する地上センサから効率的にデータを収集するため,地上センサ間における相互通信によるデータ集約のための方式提案にも取り組んだ.これにより,限られた衛星帯域をより効率的に利用することが可能となる.これは,前年度までの研究実施の課程で新たに発見した課題であり,近年の通信業界の動向を鑑みても,今後非常に重要となる取り組みであるといえる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,当初の計画通り,初年度に設計した提案方式をモデリングし,その評価に取り組んだ.また,評価結果を基に手法の性能向上を目指し改善を繰り返し行った.また,発展的な取り組みとして,地上センサ間での協調動作についての検討も開始しており,本研究の目的から鑑みても本研究はおおむね順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
本年度新たに取り組みを開始した地上センサ間での協調動作についての検討を本格的に始める.利用される環境によって要求されるリアルタイム性要件やデータの優先度などに柔軟に対応可能なシステムの構築を実現するため,地上センサ間の協調動作による効率的なデータ収集方式を新たに提案し,さらにこれまでの研究成果と融合させることで,本研究で目標として掲げる次世代衛星センサネットワークの完成を目指す.
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