研究課題/領域番号 |
13J07261
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岡本 隼輔 九州大学, 経済学研究院, 特別研究員(DC2)
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キーワード | 二酸化炭素 / 炭素クラスター / サプライチェーン |
研究概要 |
本研究の目的は以下の通りである。 1. 国際産業連関理論と応用数学の分野で近年急速に発展している非負行列因子分解理論を融合することによって、各国の産業間生産連鎖構造から炭素クラスターを検出する方法の開発を試みる。 2. 1.の産業クラスター分析法と多地域型単位構造モデルを組み合わせ、国際サプライチェーンを通したCO_2誘発構造から炭素クラスターを検出する方法の開発を行う。 3. 1.の実証分析として、アジア経済研究所作成のアジア国際産業連関表と国立環境研究所作成の別部門別CO_2排出量を用い、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、中国、台湾、韓国、日本、アメリカの10カ国、76産業部門を研究対象とし、当該国において検出された炭素クラスターが他国の炭素粗放的な産業クラスターに移行(変化)による環境影響を分析する。 4. 2.の実証分析として、多地域型単位構造モデルによって推計できる国際的なCO_2誘発行列を用いたクラスター分析を行うことによって、特に東アジア経済における排出集約度の高いクラスターの検出とその特徴分析を行い、日本のようなAnnex I諸国と中国をはじめとするNon-Annex I諸国の間の国際的なCO_2排出責任論について定量的に議論する。 国際産業サプライチェーンのクラスター分析のための事前研究として国内産業のサプライチェーンに関してクラスター分析を行った。本分析の関連する結果は、2013年開催の環太平洋産業連関分析学会研究発表会、The International Input-Output Associationにて報告した。 また本研究成果は、英語論文として取り纏め、Ecological Economics誌に投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画以上に進展しなかった理由として、国際サプライチェーンに関する分析に着手する前に、国内サプライチェーンに関する分析を行った結果、多くの問題点(クラスター分析の不安定性など)があったことが挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、国際サプライチェーンを通したCO2誘発構造からの炭素クラスター検出を進めていく。またそれに並行して、分析結果への理解に深く関わる、PajekやGephiなどのネットワーク視覚化ソフトを用いた結果の視覚化についても力を注ぎ、最終的には学術論文への掲載を目指す。
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