神経幹細胞は発生過程においてニューロンへのみ分化する初期型神経幹細胞から、グリアへの分化能を持つ後期型神経幹細胞へと性質を変化させる。そこで申請者は神経幹細胞のグリア分化能を規定しうる遺伝子ネットワークを同定し、初期型神経幹細胞においてグリア分化が誘導されず後期型神経幹細胞でのみ誘導される制御機構を明らかにすることを目的とし、スクリーニングを行った結果、初期型神経幹細胞特異的に発現しており、アストロサイトへの分化抑制効果を持つmicroRNAを複数同定した。中でも強力な表現型を示したmiR-153に着目して研究を推進し、標的因子としてNFIAおよびNFIBを同定した。また、ヒト多能性幹細胞由来のNSCsをヒト発生学に応用するための培養系の開発も行っている。
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