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2013 年度 実績報告書

黄色ブドウ球菌由来鉄獲得蛋白質Isdの蛍光バイオセンサー化と阻害剤探索法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 13J07399
研究機関東京大学

研究代表者

田村 朋則  東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(PD)

キーワードIsd蛋白質 / O-GlcNAc / SILAC / KRAS
研究概要

本研究課題では、薬剤耐性黄色ブドウ球菌に対する創薬標的であるIsd蛋白質を化学修飾によって蛍光センサーへと変換し、Isd蛋白質同士のヘム受け渡し挙動を蛍光追跡することを目的としている。しかしながら本研究の遂行にあたっては、効率的かつ部位特異的な蛋白質化学修飾や、質量分析による修飾蛋白質のキャラクタライズなど、実験の技術的難度が高いことが研究遂行の妨げとなると考えられた。そこで私は世界最先端の蛋白質修飾技術と質量解析技術を習得することを目的として、平成25年5月よりカリフォルニア工科大学、Hsieh-Wilson研究室に留学した。
Hsieh-Wilson研ではO-GlcNAc化蛋白質を特異的に標識する手法が開発されている。私はこの手法と定量的質量分析技術であるSILAC法を組み合わせ、正常細胞とガン細胞間でのO-GlcNAc化プロテオームの定量比較解析を試みた。実験には、通常細胞と比較して細胞内O-GlcNAc修飾が亢進しているという報告のあるKRas変異ガン細胞を用いて評価を行った。これらの細胞中のO-GlcNAc蛋白質にアフィニティタグを特異的に導入し、このタグに対する抗体を用いて精製濃縮を行った後、質量分析を行った。その結果、多くのO-GlcNAc蛋白質が同定され、さらにそのいくつかは、KRas変異細胞と天然型細胞で発現量が大きく異なることが見出された。今後は、これらの蛋白質の活性と腫瘍形成機構の関連性を検証する予定である。以上の実験を通じて、蛋白質化学修飾に必要な最先端の知識や手技を習得することができた。この経験は今後の研究課題遂行に大いに役立つと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成25年度は蛋白質修飾技術と質量解析技術習得を目的としてアメリカに留学したため、当初予定していたIsd蛋白質への化学修飾は未だ行えていない。しかしながら、留学で得た知識、技術は今後の研究課題の進展に極めて有用であると考えている。

今後の研究の推進方策

留学で得た経験を活かして、Isd蛋白質への化学修飾、および質量分析によるキャラクタライズを行う。まずは、Isd蛋白質にCys変異導入を行い、蛍光色素を導入する。この際、ヘム結合によってより大きく蛍光が変化する修飾部位や蛍光色素の種類を最適化する。その後、実際に望みの修飾が起こっているか質量分析により確認する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Labeling proteins by affinity-guided DMAP chemistry.2014

    • 著者名/発表者名
      Tomonori Tamura, Itaru Hamachi
    • 雑誌名

      Methods in Molecular Biology

      巻: (印刷中)

  • [雑誌論文] Fluorophore labeling of native FKBP12 by ligand-directed tosyl chemistry allows detection of its molecular interactions in vitro and in living cells.2013

    • 著者名/発表者名
      Tomonori Tamura, Yoshiyuki Kioi, Takayuki Miki, Shinya Tsukiji, Itaru Hamachi
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society

      巻: 135 ページ: 6782-6785

    • DOI

      10.1021/ja401956b

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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