研究課題/領域番号 |
13J07442
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
白井 佑樹 東京工業大学, 総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | PC鋼棒 / 接着系アンカーボルト / 頭付きアンカーボルト / 復元力特性 / ダウエル抵抗 / 弾性床上梁理論 / 圧縮破壊エネルギー |
研究実績の概要 |
本年度は昨年度実施した実験の詳細検討を行った。 実施実験の多くは,鉄筋コンクリートやグラウトのコンクリート系材料と,そこに埋め込まれたPC鋼棒やアンカーボルトの鋼材料が外力を受けたときの力学的挙動の解明につながる。鋼材料がせん断力を受けたときの挙動は,鋼材料を弾性梁に,周辺コンクリート材料を弾性床に置換することで,弾性床上梁理論(BEF)として解析することが可能である。本研究ではBEFで重要となるコンクリート反力係数を,圧縮破壊エネルギーと応力度と歪度関係から導くことができるコンクリート圧縮ばね長さに基づいて提案した。提案したコンクリート反力係数は,実験結果,及び既往研究ともよい対応を示し,その有効性を確認した。また,PC鋼棒は一般にその周辺をグラウトにより充填されている。提案した方法により,PC鋼棒,グラウト,コンクリートへと応力が伝達している挙動を圧縮バネによって評価できることも確認した。 さらなる検討として,有限要素解析でのコンクリート内部の応力状態の解明に着手している。この中で,本研究で提案したコンクリート圧縮ばね長さの概念を導入することで,解析精度が向上したことを確認した。 コンクリートに埋め込まれたせん断力を受けるアンカーボルトの終局状態での耐力は既往研究でその評価法,及びその有効性が示されている。本研究では,アンカーボルトにせん断力に加え,引張力が作用する組合せ応力下での終局耐力評価に関して検討を行った。その結果,既往の評価法では,本実験の結果組合せ応力下でのコンクリートによる終局耐力を危険側に評価する傾向があることがわかった。そこで,組合せ応力が作用する場合でより大きな安全率を乗ずるように工夫した終局耐力評価式を提案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,実験結果に関する検討を行い,また有限要素解析にも着手できている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は有限要素解析による実験の再現を行っていく。 そのなかで,実験で得られた弾性床上梁理論を導入していく。
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