研究課題/領域番号 |
13J07518
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
直江 紗織 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 金触媒 / 共役ジイン / 連続反応 / 縮環インドール / 環化反応 |
研究概要 |
研究代表者は、生物活性物質や機能性物質などに含まれる複雑な骨格を一挙に構築する方法論の開発を目的として、共役ジインを用いた1,2-縮環インドール骨格を有する縮環型複素環の構築反応の検討を行った。 ヒドロキシアルキルアミン部位を有する共役ジインを用いて、触媒のリガンド、銀塩、溶媒等の各種反応条件を精査することにより最適条件を確立し、効率的に1,2-縮環インドール誘導体を合成することに成功した。興味深いことに、二段階目の環化反応は当初予想していた6-exo-dig型ではなく7-endo-dig型で進行していることが分かった。研究代表者は、ピロールに縮環した6員環に環歪みが存在することにより、6-exo-dig型の反応が進行しにくくなっているものと予想し、6員環形成時に環歪みが生じない系での検討を行った。インドールをベンゼン環に変換した中間体に相当する化合物を合成し、本反応条件に付したところ、6-exo-dig型の反応が優先的に進行することが分かった。この結果から、二段階目の環化反応は環形成時にインドール由来の環歪みが生じにくい7-endo-dig型で優先的に進行しているものと考えられる。 続いて、基質の置換基の検討を行った。アリール基上の置換基として、アルキルや電子供与基および電子求引基が存在する場合においても、本反応が効率的に進行することが分かった。最後に、二段階目の求核部位をヒドロキシ基からアミノ基へ変換したジアミン型共役ジインを用いて本反応の検討を行った。その結果、目的の二連続環化反応が進行することを明らかにした。 今後は二段階目の環化反応における位置選択性の制御と本反応を応用したconolidineの全合成研究を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者は金触媒を用いた共役ジインの連続環化反応による1,2-縮環インドール誘導体の効率的合成法を開発した。本反応は、様々な置換基を有する基質を用いても効率的に進行することが分かった。また、ジアミン部位を有する共役ジインに対しても目的の二連続環化反応が進行することを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
今回開発した反応を応用し、conolidineの全合成研究を行う。現在計画しているconolidineの全合成経路では、二段階目の環化反応が6-exo-dig型で進行することを想定している。したがって、本反応をconolidine合成への応用に展開するためには、二段階目の環化反応の位置選択性を逆転させる必要が生じている。この問題は、求核部位のコンフォメーションをある程度固定化することで解決できる可能性があるため、今後求核部位の置換基に関する検討を加える。引き続き、得られた環化体を用いてconolidineの全合成を目指す。
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