研究概要 |
①丸のこによるCFRP加工特性の解明 CFRPに対して丸のこで直線切断実験を行うことによりCFRPの加工特性の調査を行った。本実験により、曲線切断丸のこの優位性、更なる切削能力の向上が可能になる。 ・曲線切断丸のこによる加工は、アンカットファイバーを生じさせず加工することが可能である。 ・曲線切断丸のこは、一刃当たりの実切削距離が短いため刃先に拡散する切削熱が小さい。また、工具直径が大きいため冷却時間が長い。そのため工具表面温度は50℃以下の低い温度を保つ。 ・曲線切断丸のこによるCFRP加工において、すくい面、前逃げ面には摩耗が生じない。しかし、炭素繊維のアブレシブ作用により横逃げ面に摩耗が生じることがわかった。 ・エンドミル加工と比較して曲線切断丸のこの平均切削力は低いことがわかった。しかし、びびり振動の影響による波形の乱れが見られた。 ②曲線切断丸のこの新加工機の開発 曲線切断丸のこの最大の欠点として, 加工断面が傾斜するという課題がある. これはのこ刃を傾けながら加工することにより抑制できる. また, 従来研究による曲線切断丸のこによる曲線切断は, 加工できる最小の曲率半径がR3mと大物部品への適用に限られていた. これはのこ刃径を小径化することにより小さい曲率半径を加工することが可能になる. そこでこれらの課題に対応した曲線切断丸のこの専用同時6軸加工機を開発した. 本加工機を用いて曲線切断実験を行ったところ, R205mmの小さな曲率半径を加工することが可能になった。加工精度は-0.37μmとなり加工機の剛性不足による誤差が生じたものの比較的良好な値となった. また, 加工断面傾斜抑制効果を確かめるために実験を行った. 結果, のこ刃を傾けることにより全ての条件において加工断面傾斜を57%以上抑制できることがわかった.
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