研究課題/領域番号 |
13J07647
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平田 知久 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | ネットカフェ / 移動 / 歓待 / 比較社会学 / 都市社会学 / 地域社会学 / 人文地理学 / 文化人類学 |
研究実績の概要 |
今年度の研究実績は、2編の日本語論文(うち1編は出版決定済み、もう1編は2015年9月以降出版予定)、1回の英語学会報告である。
[2編の日本語論文の概要] 1編は、前年度に出版待ちとなっていたマニラ(フィリピン)のインターネットカフェ(以下ICと略記)に関するフィールドワーク・インタビュー調査をまとめた論文について、ICを現代のフィリピン人の親密圏形成を補完すると同時に、その親密圏の形成のありようが公共圏との軋轢を生む「中間圏」の範例として改めて捉え返し、マニラのICの店主がそのような親密圏と公共圏が交錯する「場の保護者」であり、歓待の理論および実践における「主人」の形象(およびそのような場)とのより強固な連続性を確認し得るものとして大幅な加筆修正を行った。もう1編は、北京・シンガポール・マニラのICに関するフィールドワーク・インタビュー調査を取りまとめたもので、特に国内外を移動する人々とICとの連関を主題として、人々のICの利用の様態に応じて、国をまたぐかたちでIC空間が同質のものになる事態を分析し、そこで得られた知見をもとに日本のICの特性と問題、ひいては「現代メディア」一般の問題を考究するものである。
[学会報告の概要] ELLTA 3rd International Conference 2014において、バンコクのICにおけるフィールドワーク・インタビュー調査をもとにして、ICの利用者と教育問題を主題として報告を行った。報告では事例の提起はもとより、K. ポパーの「開かれた社会」という概念をヒントに、バンコクのIC利用者のうちで、十分な教育が受けられなかったためにICを利用せざるを得ない顧客や自らのPC・インターネット環境を保持/維持することができない顧客にとっての「開かれた社会」とはいかなるものであるべきかについて、歓待論との連関を念頭に置くかたちで議論した。
|
現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
備考 |
※2015年9月以降に出版される書籍の書誌情報は以下のとおり。
平田知久,「アジアを移動する人々とグローカルなメディア利用の風景――北京・シンガポール・マニラのネットカフェと「現代メディア」をめぐる問題」佐藤卓己・大澤真幸・諸富徹編『岩波講座 現代 第9巻――ポストメディア時代のネット社会(仮題)』東京:岩波書店.
|