研究課題/領域番号 |
13J07829
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
張 柱鏞 東北大学, 流体科学研究所, 特別研究員(PD)
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キーワード | ハイブリッドプラズマ流動システム / 液相微粒子プロセス / 高機能性ナノ光触媒粒子の創製 |
研究概要 |
本研究では、二つのハイブリッドプラズマ流動システムを用いて研究を行った。一番目は、DC-RFハイブリッドプラズマ流動システムを用いた液相微粒子プロセスより高機能性ナノ光触媒粒子の創製と評価、二番目は、革新的な熱・非熱ハイブリッドプラズマ流動システムを新たに構築し、表面改質や液相有機物質を分解する。 1. DC-RFハイブリッドプラズマ流動システムを用いた液相微粒子プロセスより高機能性ナノ光触媒粒子の創製と評価 (1)DC-RFハイブリッドプラズマ流に液相微粒子原料を噴霧すると、プラズマ流によって気化し、チタン、高濃度の炭素と低濃度の酸素が生成されることを分光法で確認した。 (2)より低濃度の液相微粒子原料を用いて創製した高機能性ナノ光触媒粒子は、可視光だけ照射しても光触媒反応が活発になり、メチレンブルーの脱色率が高くなった。 (3)高機能性ナノ光触媒粒子の回収位置は、DCプラズマジェットの出口から100mm離れたところで回収したものより、195mmで回収したもののメチレンブルーの脱色率が高かった。 (4)システムの作動圧力の変化は、高機能性ナノ光触媒粒子に入っている酸化チタンのAnatase/Rutile結晶の含有量の変化と密接な関係があり、これがメチレンブルーの脱色率に影響を与えることがわかった。本実験の範囲では、より低い作動圧力で創製した高機能性ナノ光触媒粒子がより高いメチレンブルーの脱色率を示した。 2. 革新的な熱・非熱ハイブリッドプラズマ流動システムの構築と表面改質や液相有機物質の分解 (1)世界でも新しい概念である熱源としてのアークと活性種提供源としてのDBDプラズマをハイブリッド化し、革新的な熱・非熱ハイブリッドプラズマ流動システムの構築に成功した。 (2)熱プラズマジェットのみより、熱・非熱ハイブリッドプラズマ流を用いた方が高効率の金属表面改質を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
微粒子プロセス分野を統合化する視点で、2種類の熱プラズマのハイブリッド化、また、熱・非熱プラズマのハイブリッド化により革新的な高機能プラズマ源を短時間に構築し、その有効性を明らかにしたためである。その結果、DC-RFハイブリッドプラズマ流動システムを用いた液相微粒子プロセスによる商用ナノ光触媒粒子より高機能性ナノ光触媒粒子の創製に成功した。また、熱・非熱ハイブリッドプラズマ流動システムを用いて金属表面改質の効率を向上した。
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今後の研究の推進方策 |
液相有機物質の高分解率を目指すため、熱・非熱ハイブリッドプラズマ流動システムに液相有機物質を注入し、熱プラズマジェットより気化および分解され、非熱プラズマより生成された活性種による反応を促進させる。このシステムを最適化し、液相有機物質の二段階分解の有効性を明らかにする。その結果を国内学会で発表し、世界一流雑誌に掲載する。また、アメリカのミネソタ大学で研究している最新微粒子プロセスを導入し、半導体で使われる高機能性微粒子を創製する。
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