研究課題/領域番号 |
13J07885
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
千葉 悠志 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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キーワード | 中東 / アラブ世界 / メディア / 政治変動 / 国際関係 / アラブの春 / 地域研究 |
研究概要 |
本研究の目的は大きく2つある。第1に、アラブ世界におけるメディア産業の実態を包括的に明らかにすることである。第2に、「放送と通信の融合」の進展などによって、アラブ世界のメディアは大きく再編されつつあるが、こうした新たなメディア状況の到来が、各国の政治変動や社会変容とどのように関わるのかを明らかにすることである。初年度にあたる平成25年度は、(1)「アラブの春」以降のアラブ各国で生じたメディア自体の変容を、「放送と通信の融合」の実態なども踏まえながら明らかにすること、(2)エジプト、ヨルダン、アラブ首長国連邦(UAE)の3都市でのフィールドワークを通して、次年度以降必要となる現地で公刊された図書・資料・博士論文などの収集を集中的におこなうことを目的として研究を進めた。本年度の成果としては、以下の2点を特記したい。(1)チュニジア、ヨルダン、エジプトにおける「革命」後のメディア状況をまとめて、国内の科研研究会や、国外の学会・シンポジウムなどで報告をおこなった。また、その結果を論文としてまとめて学術誌に投稿した。なお、エジプトとヨルダンに関しては、現地でフィールドワークをおこない、報道関係者や国営メディアのメディア企業家からの聞き取り調査をおこなった。(2)エジプト、ヨルダン、UAE(とくにドバイ)で2011年以降に公刊されたメディア関連の図書・資料・博士論文の収集をおこなった。その結果、ムスリム同胞団とアルジャズィーラとの関係を論じた書籍や、エジプトのメディア経済特区に関する貴重な論文を入手することができた。また、この他にも、アラブ・メディアに関する貴重な図書・資料が多数入手できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フィールドワークを通じて、アラブ世界の情報通信産業に従事する関係者との関係構築を進めることができた。また、「アラブの春」後に書かれたメディア関係の論文や書籍を収集することが出来たことで、次年度以降の研究に大きな進展が見込めるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き研究関連の文献・資料の収集を進めるとともに、これまで集めた文献・資料の読解を集中的におこなう。論文の投稿や、学会での報告などを通じて研究成果の公開を図る。
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