研究課題/領域番号 |
13J07885
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
千葉 悠志 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 中東 / アラブ世界 / メディア / 政治変動 / 国際関係 / アラブの春 / 地域研究 |
研究実績の概要 |
平成27年度の当初の目標は、(1)前年度に収集した文献・資料をもとに、「放送と通信の融合」状況をまとめた資料集を作成すること、(2)「ポスト放送時代」における放送の役割を検討することの2点であった。前者については、前年度(平成26年度)に収集した資料と、本年度(平成27年度)のフィールドワークで集めた資料などをもとにして、チュニジア、エジプト、ヨルダン、サウジアラビア、カタルの5ヶ国のメディア状況をまとめたデータベースを作成した。このデータベースは、すでに学会報告や投稿論文執筆の際に活用しており、次年度の研究にも情報を更新しながら活用する。後者については、2011年の「アラブの春」以降の、とくにエジプト、チュニジア、リビア、イエメンの「革命」を経た4カ国のメディア状況を明らかにし、その政治的な影響についての考察をおこなった。各国で生じたメディアの変化を明らかにするとともに、その政治的な意味を、各国の共通点と差異に着目しながら論じた。一連の研究成果は、国内外のシンポジウムや研究会の場で発表するとともに、論文にまとめて複数の学会誌に投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アラブ5ヶ国(チュニジア、エジプト、ヨルダン、サウジアラビア、カタル)のメディア状況をまとめたデータベースを当初の予定通りに作成し、これを学会発表や論文執筆の際に有効活用することができた。また、次年度に必要なアラブ・メディア関係の文献や資料を収集することができた。さらに外国での研究報告をおこなった際に、海外のアラブ・メディア研究者との交流を深められたことで、海外の研究者との今後につながるネットワークを構築することができた。以上の点から、当初想定していた本年度(平成26年度)の研究は、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き研究関連の文献・資料の収集を進めるとともに、収集した文献・資料の解読を集中的におこなう。また平成27年度には、すでに複数の海外の学会や報告会での研究報告予定が入っているため、一連の報告の準備を進める。さらに、本研究の最終年度となるため、これまでの調査・研究の成果をまとめて、論文を複数執筆し、国内外の主要な学会誌に投稿する。加えて、アウトリーチ活動を含めて研究成果の社会還元もおこなう。
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