研究課題
高強度・短時間・間欠的運動トレーニングは、一回のトレーニングが4分程度で終了するにもかかわらず、有酸素性エネルギー供給能と無酸素性エネルギー供給能を同時に向上させることが可能な効率的なトレーニングの一つである。しかしながら、このトレーニングに対する骨格筋の適応を支える分子メカニズムは明らかとなっていない。平成28年度は、高強度・短時間・間欠的運動トレーニングにより骨格筋において発現が増加した遺伝子がトレーニングの効果に関与しているのかを明らかにするため、これらの遺伝子がタンパクレベルでの発現も増加しているのか否かの確認を行った。平成27年度のマイクロアレイ解析により高強度・短時間・間欠的運動トレーニングにより骨格筋で発現が増加することが明らかとなった79個の遺伝子の中から、これまでの先行研究で運動トレーニングとの関連性が報告されていない6個の遺伝子に着目して検討を行った。トレーニング介入前後に採取した外側広筋の筋生検サンプルを使用し、ウエスタンブロッティング法によりタンパクの発現レベルを測定した。その結果、6個中4個のタンパクの発現がトレーニング前と比較してトレーニング後に有意に増加していた。この中には筋の緩衝能に関与する可能性があるタンパクが含まれており、そのタンパクの遺伝子発現レベルと最大無酸素性エネルギー供給能の関連性を検討した結果、有意な正の相関関係が認められた。筋の緩衝能は、最大無酸素性エネルギー供給能に対して重要な役割を果たしていることが知られている。したがって、この遺伝子の発現増加が高強度・短時間・間欠的運動トレーニングによる最大無酸素性エネルギー供給能の向上の個人差に関与している可能性がある。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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