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2015 年度 実績報告書

重力波を用いた素粒子論的初期宇宙の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13J08360
研究機関東京大学

研究代表者

神野 隆介  東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード初期宇宙 / 重力波 / インフレーション / 相転移
研究実績の概要

【インフラトン起源の重力波生成】
インフレーション終了期に、インフラトンのコヒーレント振動がもたらす重力子(重力波)生成を研究した。まず、重力及びインフレーションを仮定した場合に理論的に最小限のセットアップを研究し、重力波生成が実際起こるものの、観測に足るだけの振幅を持たないことを示した。しかし、インフラトンと重力とが結合する(=最小限でない)場合には、重力子を含む特徴的な粒子生成が起こる可能性がある。そこで特に、素粒子標準模型のヒッグス場をインフラトンとして用いるような模型に現れる結合に着目し、粒子生成の解析を行った。まずこのような系を一般に解析する手法を提案した後、微分型と呼ばれる結合を持つ場合の粒子生成を研究した。結果として、理論に不安定性があること、及び重力子の共鳴生成が起こる可能性を指摘した。また、博士論文において微分型でない結合を持つ場合の解析も行った。
【ヒッグス相転移起源の重力波生成】
宇宙の相転移が重力波生成を伴う可能性は広く知られているが、標準模型ヒッグス場による相転移は非常に弱く、重力波生成も非常に少ない。一方、素粒子標準模型は自身の欠陥のため拡張が必要であり、そのような拡張において新たなスカラー場が現れることが多い。このスカラー場の存在に起因して、ヒッグスの相転移の性質が変化し、観測可能な痕跡が生まれる可能性が研究されていた。ここで私は、先行研究が「熱化」したスカラー場のみを考えていることに着目した。実はスカラー場は必ずしも「熱化」しておらず、時間変化する期待値を持って「運動」することがある。このスカラー場の時間変化が、標準模型ヒッグス場の転移スケール及びその4点結合のエネルギー依存性を変更し、相転移が1次相転移(強い相転移)となる可能性を研究した。実際、模型のパラメータによっては1次相転移が起こり、それに伴う重力波が将来的に観測可能であることが示された。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Gravitational Effects on Inflaton Decay2015

    • 著者名/発表者名
      Yohei Ema, Ryusuke Jinno, Kyohei Mukaida, Kazunori Nakayama
    • 雑誌名

      Journal of Cosmology and Astroparticle Physics

      巻: 2015 ページ: 1-19

    • DOI

      10.1088/1475-7516/2015/05/038

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Particle Production after Inflation with Non-minimal Derivative Coupling to Gravity2015

    • 著者名/発表者名
      Yohei Ema, Ryusuke Jinno, Kyohei Mukaida, Kazunori Nakayama
    • 雑誌名

      Journal of Cosmology and Astroparticle Physics

      巻: 2015 ページ: 1-24

    • DOI

      10.1088/1475-7516/2015/10/020

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] On adiabatic invariant in generalized Galileon theories2015

    • 著者名/発表者名
      Yohei Ema, Ryusuke Jinno, Kyohei Mukaida, Kazunori Nakayama
    • 雑誌名

      Journal of Cosmology and Astroparticle Physics

      巻: 2015 ページ: 1-15

    • DOI

      10.1088/1475-7516/2015/10/049

  • [雑誌論文] Gravitational Waves from the First Order Phase Transition of the Higgs Field at High Energy Scales2015

    • 著者名/発表者名
      Ryusuke Jinno, Kazunori Nakayama, Masahiro Takimoto
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 93 ページ: 1-11

    • DOI

      Phys.Rev. D93 (2016) no.4, 045024

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Gravitational effects on inflaton decay at the onset of reheating2016

    • 著者名/発表者名
      Ryusuke Jinno
    • 学会等名
      Beyond the Standard Model in Okinawa 2016
    • 発表場所
      沖縄科学技術大学院大学(沖縄県国頭郡恩納村谷茶)
    • 年月日
      2016-03-03 – 2016-03-03
    • 国際学会
  • [学会発表] Gravitational effects on inflaton decay2015

    • 著者名/発表者名
      Ryusuke Jinno
    • 学会等名
      COSMO-15, the 19th annual International Conference on Particle Physics and Cosmology
    • 発表場所
      University of Warsaw(Warsaw, Poland)
    • 年月日
      2015-09-11 – 2015-09-11
    • 国際学会

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公開日: 2016-12-27  

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