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2013 年度 実績報告書

基質親和性の高い微生物を利用した低濃度温室効果ガス処理技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13J08488
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

松浦 哲久  独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 特別研究員(PD)

キーワード温室効果ガス / 低濃度ガス / 高親和性微生物 / DHSリアクター
研究概要

排水処理プロセスから発生する温室効果ガス(メタン・亜酸化窒素)は、処理過程の様々なポイントで発生し、その多くは低濃度である。しかし、低濃度ではあるものの、発生量が多いため、排水処理場全体からの温室効果ガスエミッションの割合は高い。それにも関わらず、そのような温室効果ガスの処理技術は未だ確立されていないのが現状である。そこで、本研究では、基質親和性の高い微生物を利用し、低エネルギーかつ極低濃度まで分解する技術を確立させ、その微生物の機能解明を行う事を目的とした。本年度は、排水処理DHS (Down-flow Hanging Sponge)バイオリアクターを用いて、高親和性メタン酸化細菌の連続培養を行い、その微生物群集の解析を行った。培養リアクターを用いた長期間の微生物培養の結果から、大気レベルのメタンガス(1.7ppm)を分解可能な微生物群を集積できた。メタン濃度を変化させて培養すると、異なる種のメタン酸化細菌が培養され、予め1000ppm以下のメタンガス濃度で培養した微生物群において低濃度のメタンガスを長期間分解できることを明らかにした。また、微生物群集構造解析の結果から、基質親和性の高いグループのメタン酸化細菌が集積培養されていることが示されており、その一部は分子系統学的に新規な細菌群であることが示された。今後は、それらのメタン酸化細菌をさらに高濃度に集積培養するための条件検討が必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、基質親和性の高い微生物を培養できており、大気レベルのメタン除去が確認できている。

今後の研究の推進方策

集積培養した微生物より更に基質親和性が高いと予測される未培養メタン酸化細菌を様々な条件で集積培養し、低濃度メタンガス除去性能の向上をはかる。また、新規メタン酸化細菌の機能や系統を明らかにするために、分子生物学的手法を取り入れた解析技術の開発も並行して行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 環境とメタン酸化細菌の優占化2013

    • 著者名/発表者名
      新野貴大、松浦哲久、金田一智規、尾崎則篤、大橋晶良
    • 学会等名
      第29回日本微生物生態学会大会
    • 発表場所
      鹿児島大学(鹿児島県)
    • 年月日
      20131122-25
  • [学会発表] 多様なメタン酸化細菌の優占種と環境2013

    • 著者名/発表者名
      新野貴大、松浦哲久、金田一智規、尾崎則篤、大橋晶良
    • 学会等名
      第65回土木学会中国支部研究発表会
    • 発表場所
      鳥取大学(鳥取県)
    • 年月日
      2013-05-25

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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