研究課題
排水処理プロセスから低濃度の強温室効果ガス(メタン・亜酸化窒素)が発生している。低濃度ではあるが発生量が多いため、排水処理場全体からの強温室効果ガス排出の割合は高い。それにも関わらず、そのような強温室効果ガスの処理技術は未だ確立されていないのが現状である。そこで、本研究では、基質親和性の高い微生物を利用し、強温室効果ガスであるメタンを大気程度にまで分解する技術を確立させるとともに、その微生物の機能解明を行う事を目的とした。昨年度までに、低濃度メタンガスを除去するバイオリアクターを開発し、培養微生物群を含む様々な環境のメタン酸化細菌の調査を行う基盤整備を行った。本年度は、未培養メタン酸化細菌の機能解明に向けて、ゲノム解析を実施した。まず、基質親和性の高い未培養メタン酸化細菌の機能遺伝子(pmoA)に特異的なプライマーを設計し、環境サンプルから目的微生物の定量を実施した。標的が多い環境サンプルを数種選出し、NextSeqにてゲノムのシークエンス解析を行った。約50Gbのシークエンスデータを取得し、そのデータからゲノムビニングを実施した。その結果、合計65種類のゲノムを抽出した。そのうち1種のゲノムがメタン酸化細菌のクラスターに属した。さらに、既知のゲノム情報との相同性は85%以下であり、未培養系統群であることがわかった。しかし、ゲノム上に16S rRNA遺伝子、pmoA遺伝子が検出されなかった。同時に未培養メタン酸化細菌の分離・培養も実施したが、目的微生物の分離・培養には至らなかった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 4件)
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