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2016 年度 実績報告書

中性子回折用超高圧装置の開発と高圧下における水素結合系物質の挙動の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13J08679
研究機関愛媛大学

研究代表者

飯塚 理子  愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード高圧地球科学 / 中性子回折 / 水素 / 装置開発 / J-PARC / 高温高圧
研究実績の概要

地球深部に遍在する水(水素)の存在状態を明らかにすることは、地球内部のダイナミクスや物質循環を理解する上で非常に重要である。本研究では水素を観察できる中性子線を用いることにより、地球深部に相当する高圧条件下において水や水素がどのような振る舞いをするのかを観察し、地球内部物質に対するこれらの影響を明らかにする手がかりを得ることを目的として、高温高圧中性子回折実験用に新たに開発したセルを導入し、研究を遂行した。
最終年度(出産育児により一時中断後研究を再開した残り2ヶ月間)は、主に解析と今後に向けた追試実験を行った。水素の振る舞いを直接観察できる中性子回折の手法を用いて鉄-シリケイト-水系の地球形成初期に集積した物質をモデル化した出発試料に対して高温高圧下その場観察を行い、高温高圧下で含水鉱物が脱水してできた水と固体の鉄とが反応して、鉄水素化物が生成する様子をリアルタイムでとらえることに成功した。これにより、鉄と鉄が水素化物となって有意に水を取り込むことが明らかになり、原始地球で始源物質が集積していく初期段階で、水素は鉄へと溶け込み始めていたことが示唆された。この研究結果は学術雑誌に論文として出版され、地球核に取り込まれた軽元素の問題に対して、これまで種々の実験が行われてきた純鉄とケイ酸塩の系だけではなく、水素化した鉄とケイ酸塩間での軽元素の分配を調べていくことの重要性を投げかけた。高圧下での中性子その場観察では、高温高圧が長時間安定に発生でき、かつ、大容量の試料でシグナル強度を稼げることが望ましい。そのためには、本研究で開発・導入した新型6-6セルに対して、高温高圧下での圧力抜け及びアンビルセルからの中性子の吸収を軽減などの課題を克服していく必要がある。今後の展望として、更なるセルの改良によりアセンブリの最適化を図っていくための基礎固めが本研究によってなされたと言える。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Hydrogenation of iron in the early stage of Earth’s evolution2017

    • 著者名/発表者名
      Riko Iizuka-Oku, Takehiko Yagi, Hirotada Gotou, Takuo Okuchi, Takanori Hattori, Asami Sano-Furukawa,
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 8 ページ: 14096

    • DOI

      10.1038/ncomms14096

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] In situ neutron diffraction of iron hydride under high pressure and temperature in Fe-silicate-water system: Implications for the Earth's evolution2017

    • 著者名/発表者名
      Riko Iizuka-Oku, Takehiko Yagi, Hirotada Gotou, Takuo Okuchi, Takanori Hattori, Asami Sano-Furukawa
    • 学会等名
      JpGU-AGU Joint Meeting 2017
    • 発表場所
      千葉県幕張市幕張メッセ
    • 年月日
      2017-05-24
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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