研究課題/領域番号 |
13J08705
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
平井 義晃 東京工業大学, 大学院理工学研究科(工学系), 特別研究員(DC2)
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キーワード | CIGS / 太陽電池 / ZnSe / 界面再結合 |
研究実績の概要 |
【研究内容】 本研究の目的は、高いGa組成を有するCu(InGa)Se_2(CIGS)とCdSバッファ層界面での再結合を抑制し、変換効率を向上させることである。その背景には、CIGSのGa組成増加に従いバッファ層として用いられるCdSとのヘテロ界面におけるキャリア再結合が増加し、開放電圧が低下するという問題がある。昨年度は、この問題の解決法として、CIGS表面に価電子帯オフセットΔE_vを形成させることが有効であることを理論的に明らかにした。本年度は実デバイスにおけるCdS/CIGS界面にZnSeを挿入することで、界面再結合の抑制による変換効率の向上を試みた。 【研究成果】 ■CIGS上へのZnSe製膜法の確立 ZnSeの緻密な膜厚制御を実現するため、MBE装置を用いた原子層堆積法を行った。Zn及びSeのフラックス圧力をそれぞれ1×10^<-4>及び1×10^<-3>Paに制御し、インターバルを2秒間として交互に基板へ照射した結果、原子層堆積に相当するZnSeの製膜レートを実現した。 ■CIGS/CdS界面へのZnSe挿入効果 平均バンドギャップ約1.4eVを有するCIGS上に、Gaを添加したZnSeを膜厚10nm堆積させた結果、世界最高レベルの変換効率14.8%を実現した。この時、ZnSe:Gaの挿入によって開放電圧を0.725Vまで向上させる事に成功しており、CdS/CIGS界面におけるΔE_v形成が界面再結合の抑制に有効であることを実験的に示した。 【本年度における研究成果の意義】 高いGa組成を有するCIGSの高効率化は、Ga組成の増加に伴う開放電圧の低下が原因で世界的に困難な状況である。このような現状において、CdS/CIGS界面にΔE_vを形成することで開放電圧の向上が可能であることを実験的に示した本研究は、今後のCIGS太陽電池の高効率化の指針となる。
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現在までの達成度 (段落) |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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