研究概要 |
1. シス列予浪プログラムのアップデート 次世代シークエンサーを用いた転写開始点の網羅的な解析を行い、24,956遺伝子の転写開始点を同定した。この転写開始点データからプロモーター領域を決定した。同定したプロモーター配列をシス配列予測プログラム(yamamoto, et al., 2011)にアップデートした(14,960→24,956遺伝子)。このアップデートにより今まで対象にできなかった遺伝子の情報も予測に反映されるようになり、プロモーター解析において対象にできる遺伝子数が飛躍的に増加した。 2. リンゴ酸トランスポーターALMT1のプロモーター上のシス配列同定による転写制御機構の解析 植物のAlストレス耐性に必須なリンゴ酸トランスポーター遺伝子の転写制御メカニズム解明のため、上記アップデートを行ったシス配列予測法を用いて解析した。プロモーター上に8個の領域がシス配列として予測された。予測した配列を置換したプロモーターを植物体に組換えて機能検証した結果、7個がシス配列としての機能を持っことが分かった。シス配列の中には、基本転写を制御する領域、根端での発現に関わる領域、Alストレス誘導を担う領域、非ストレス条件下での転写抑制の領域が含まれていた。現在、結合する転写制御因子の探索など詳細な機能解析を行っている。 3. 合成プロモーターによるシス配列の大規模同定 シス配列予測法により共同研究者とともにアルミニウム、カドミウム、銅、塩類集積ストレスなどの土壌ストレスのマイクロアレイデータからシス配列をコンビネーションも含め100個ほど予測し、単純な合成プロモーターを設計した。現在、レポーター遺伝子と結合させ、組換えを行っている。
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