研究課題/領域番号 |
13J08756
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
孫 雲龍 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
キーワード | 分子認識 / レーザー脱離 / 超音速ジェット / レーザー分光 / カテコールアミン / ペプチド / 電子スペクトル / 赤外スペクトル |
研究実績の概要 |
本研究の目的はレーザー脱離・超音速ジェット法を用いて神経伝達物質とそのレセプターの分子認識機構を分子レベルで解明することである。本年度はアドレナリンの部分構造であるカテコールとレセプターの結合サイトであるSIVSF-NH2の錯合体をレーザー脱離・超音速ジェット法を用いて測定した。最初、それぞれの分子の粉末を混合し、これにレーザー脱離法を適用したが、錯合体は観測されなかった。そこで、それぞれの分子を水に溶かして混合した後、50℃で一昼夜乾燥して得た粉末に対してレーザー脱離法を適用したところ、錯合体の観測に成功した。これにより、錯合体の共鳴多光子イオン化(REMPI)スペクトルの測定に成功した。REMPIスペクトルには37590cm-1に強いシャープなバンドが観測され、錯合体はほぼ単一のコンフォメーションをとっていると考えられる。構造情報を得るためIRスペクトルを測定したところ、3509及び3442cm-1にシャープなバンドが、3300cm-1付近にブロードなバンドが観測された。カテコールの水素結合していないOH伸縮振動(3673cm-1)が観測されないことから、錯合体ではカテコールOH基が水素結合を形成していることが示唆される。さらに、SIVSF-NH2単体で観測されるSerのπ型水素結合したOH伸縮振動(3588cm-1)が観測されないことから、錯合体ではこのπ型水素結合が消滅し、新たにカテコールOH基と水素結合が形成されていることが分かった。
|
現在までの達成度 (段落) |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
|