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2015 年度 実績報告書

共生系の季節適応:昆虫-微生物における共進化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13J08758
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

森山 実  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード共生細菌 / 休眠 / 体色
研究実績の概要

昆虫の体色は適応度に直結する重要な形質である。体色の構成要素となる生体色素の合成にはチロシン・トリプトファンなどの必須アミノ酸やカロテノイドといった昆虫が自身で合成できない栄養素が必要であり、そのため、共生微生物による栄養補完が関与していると推測される。そこで、本年度は、チャバネアオカメムシ成虫における体色形成の分子生理機構の解明について、とりわけ、季節の変化に伴って可逆的に体色を変化させる現象の解明に着目して、研究を進めた。結果、カロテノイドに由来する黄色色素が通常繁殖期の個体が呈する鮮やかな緑色の体色に寄与していることを明らかとした。また、休眠に伴って誘導される茶色の体色は主にプテリジン系色素が表皮細胞に蓄積することで形成されることを解明した。さらに、RNAseqトランスクリプトーム解析をおこない、非休眠と休眠固体の表皮で発現する遺伝子を比較し、体色の変化を誘導する分子経路を推定した。
その他、昆虫類に普遍的に感染しており、寄生的な共生細菌として知られるWolbachiaにおいて、リボフラビン(ビタミンB2)の合成能が広く保持されていること、およびその供給が宿主昆虫の適応度に貢献していることを証明し、Wolbachiaの相利共生者としての側面について理解を深めた。さらに、チロシン供給に特化したクロカタゾウムシ共生細菌の栄養生理学的解析、セミ類にみられる微生物の共生に特殊化した器官の組織学的解析、モンゼンイスアブラムシのゴール修復因子の生化学的解析など、昆虫-微生物相互作用に関わる課題の解明に携わった。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Ecdysteroid promotes cell cycle progression in the Bombyx wing disc through activation of c-Myc2016

    • 著者名/発表者名
      Moriyama M, Osanai K, Ohyoshi T, Wang HB, Iwanaga M, Kawasaki H
    • 雑誌名

      Insect Biochemistry and Molecular Biology

      巻: 70 ページ: 1-9

    • DOI

      Ecdysteroid promotes cell cycle progression in the Bombyx wing disc through activation of c-Myc

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Urban soil compaction reduces cicada diversity2015

    • 著者名/発表者名
      Moriyama M, Numata H
    • 雑誌名

      Zoological Letters

      巻: 1 ページ: 19

    • DOI

      10.1186/s40851-015-0022-3

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Riboflavin provisioning underlies Wolbachia’s fitness contribution to its insect host2015

    • 著者名/発表者名
      Moriyama M, Nikoh N, Hosokawa T, Fukatsu T.
    • 雑誌名

      mBio

      巻: 6 ページ: e01732-15

    • DOI

      10.1128/mBio.01732-15

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] チャバネアオカメムシの休眠色を誘導する分子生理機構2016

    • 著者名/発表者名
      森山実・二橋亮・深津武馬
    • 学会等名
      日本昆虫学会第76回大会・第60回日本応用動物昆虫学会大会合同大会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2016-03-26 – 2016-03-29
  • [学会発表] モンゼンイスアブラムシ兵隊が示すゴール修復の分子基盤と共生細菌ブフネラの関与2016

    • 著者名/発表者名
      沓掛磨也子・森山実・深津武馬
    • 学会等名
      日本昆虫学会第76回大会・第60回日本応用動物昆虫学会大会合同大会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2016-03-26 – 2016-03-29
  • [学会発表] ペプチドマッピング法によるチャバネアオカメムシ共生器官発現遺伝子の同定2016

    • 著者名/発表者名
      林俊成・森山実・古賀隆一・深津武馬
    • 学会等名
      日本昆虫学会第76回大会・第60回日本応用動物昆虫学会大会合同大会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2016-03-26 – 2016-03-29

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公開日: 2016-12-27  

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