研究概要 |
今年度は, 高効率・低コストを両立する共振型DC/DCコンバータの開発・設計, インバータの解析, 無線電力伝送システムの解析について研究を行い, その成果を論文として発表した. 今年度の補助金は, 主に回路開発のための実験準備品・消耗品, 海外発表・共同研究のための旅費に当てられた. 1. 高効率・低コストを両立する共振型DC/DCコンバータの設計・開発についての論文は, 「回路とシステムワークショップ」等で発表を行った. これまで設計が難しいとされていた, 回路構成について設計・開発に成功した. この成果により, 高効率・低コストを両立する無線電力伝送システムの基礎となる回路の設計が可能になった. 2. インバータの解析についての論文は, Japan-Korea Joint Technical Workshop on Semiconductor Power Converter等で発表を行い, 論文誌IEEE transactions on Industrial Electronicsに掲載決定された. 高効率インバータの解析を行い, 高効率を達成できるパラメータ領域を明らかにした. また, 高効率を達成できるパラメータ領域の拡張に成功した. この成果により, パラメータ変動があっても高効率を維持できる制御手法の確立が可能となる. 3. 無線電力伝送システムの解析についての論文は, 電子情報通信学会無線電力伝送時限研究会にて発表し, 国際学会IEEE International Sympopsium on Cricuits and Systemsで発表予定である. 高効率DC/DCコンバータを無線電力伝送システムに適用・解析を行い, システムの設計・高効率化に成功した. この成果は, 無線電力伝送システムの包括的な設計において基礎となる研究である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高効率・低コストを両立するDC/DCコンバータの開発に成功した. また, 高効率インバータの解析を行い, 高効率を達成できるパラメータ領域を明らかにし, パラメータ変動に対して高効率を達成できる領域の拡大に成功した. これらの成果から, 申請者の研究計画はおおむね順調に進展していると結論づけられる.
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今後の研究の推進方策 |
共振型DC/DCコンバータについて, 1入力1出力の回路構成から, 1入力・多出力の回路構成に発展させることが早急の課題である. しかしながら, 多出力化はこれまでの研究成果を用いれば, スムーズに移行できると考えており, 高効率・低コストを両立する多出力DC/DCコンバータの開発・設計が完了する. その後, 多出力DC/DCコンバータについて, これまでの研究成果として得られた回路解析手法を適用することで, 高効率を達成するパラメータ領域を明らかにし, 高効率を維持できる制御手法を確立する.
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