• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

アッバース朝からブワイフ朝・ハムダーン朝への情報伝達の構造的分析

研究課題

研究課題/領域番号 13J09000
研究機関東京大学

研究代表者

中野 さやか  東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2018-03-31
キーワードアッバース朝 / カリフ政権 / ブワイフ朝 / ハムダーン朝 / イスファハーニー
研究実績の概要

平成29年度の研究では、アラビア語現存史料で最も古い層である9世紀の系譜書の分析を開始した。元々報告者は平成28年度以前から『歌書』の分析を行ってきた。アッバース朝カリフ政権解体後のブワイフ朝・ハムダーン朝下の諸史料の内、ウマイヤ朝とアッバース朝カリフ宮廷に関して最大の情報量を持つ史料がイスファハーニー著『歌書』である。これまでの研究では『歌書』のイスナード(情報源から作者までの情報伝達経路を人名を列挙して示したもの)に着目し、『歌書』の情報源とされる人々とバグダードにおけるハディース伝承者を列挙した『バグダード史』の情報を比較分析する中で、「アッバース朝カリフ宮廷」という権力の場に集い、「ハディース伝承」というイスラム法の整備・発展の中枢を担ったバグダードの知識人層を割り出した。その中で、平成29年度は最もアッバース朝カリフ政権に近く、10世紀以降の諸史料に情報源として挙げられる9世紀の文人3名に着目した。この3名はバラーズリー、ズバイル・ブン・バッカール、ムスアブ・ズバイリーであり、いずれも著作が現存している。ズバイルとムスアブは『歌書』の情報源として最も多く名が挙がっており、バラーズリーは言及回数は少ないものの大部の歴史叙述作品があり、『歌書』もバラーズリーが記している歴史的事件の多くを描いている。バラーズリーとムスアブの作品はアラブ部族の男系系譜に沿って伝記を配置しており、歴史叙述作品ではなく系譜書として分類されている。その為歴史認識を分析する史料論ではほとんど研究対象とされてこなかったが、実際はバラーズリーの作品は系譜書の体裁を取りながらイスラム初期史の重要事件を論じる歴史叙述作品である。報告者は『歌書』とバラーズリーの著作の同じ歴史的事件がどのように描かれているのか、著者達と権力との関わり、作品の引用関係と細部の変更を分析した。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 9-10世紀のウンマの歴史の記述方法ー鳩の殺害の逸話の比較分析を通じて2017

    • 著者名/発表者名
      中野さやか
    • 学会等名
      九州史学会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi