研究課題/領域番号 |
13J09198
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
松岡 雅成 立命館大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | 残基間平均距離統計 / 配列解析 / フォールデング予測 |
研究概要 |
報告者はモデルケースとしてTIM-barrel及びFerredoxin-like Foldに属するタンパク質を採用し、収集したそのホモログ(相同タンパク質)に対してフォールディング(立体構造形成)過程において重要とされる部位を予測、ホモログ内でのアミノ酸配列的多様性とフォールディング多様性との関係性探索を試みてきた。この目的は、突然変異などのアミノ酸配列への摂動によりどのような立体構造過程への影響が認められるかについて予測評価する方法を確立することである。 昨年度はモデルタンパク質についてその解析結果をまとめ、考察した内容を国際誌へと投稿した(採録は本年度予定)。同内容は本解析の基盤となる論文である。次に適用範囲限界を調べるため、98%配列一致度を持つが立体構造が大きく異なる人工タンパク質の解析を試みた。2%の違いによる影響はモデルタンパク質に対して用いたフォールディング領域予測法では検出できなかったが、その拡張手法と局所的な配列情報とを併せて考察することにより、そのフォールディング機構を特徴付けることが出来た。本内容は投稿準備中である。また、これらの解析のWebサービス化を行い、試験利用を開始し始めた。一般公開は解析結果をまとめた論文を投稿し、セキュリティ対策やマニュアル準備が完了し次第行う予定である。 その他、フォールディングコアの保存性を議論する際、当該フォールディングコアがいかなる変異に対しても強固である為に保存されているのか、それとも当該フォールディングコアを保存するような変異のみ許容された結果保存されているのかを明らかにするため、人工的にランダムに変異を導入したデータセットと、天然のホモログ由来のデータセットとの解析結果を比較した。現在までのところ、定性的には人工よりも天然ホモログの方がよりフォールディングコアが保存される傾向にあることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に比べ遂行順序が多少前後しているが、進捗度では予定通りであると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
申請書の研究実施計画に記載された事項の内、未実施または実施中なものは各種スーパーフォールドへの適用と、解析結果の定量指標化である。各種スーパーフォールドへの適用においては、解析対象となるスーパーフォールドの調査に当初の想定より多くの時間を要したためで、現在までのところGlobin-lkeなど一部フォールドについてのみ適用済であるが、定量化と共に本年度完了予定である。
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