研究課題/領域番号 |
13J09241
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
岡部 茜 立命館大学, 社会学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ひきこもり / 若者支援 / ソーシャルワーク / ピアスタッフ |
研究実績の概要 |
本年度は、主に四つの点から研究を進めてきた。一つは、ひきこもり研究史を制度、政策との関わりで整理する取り組みである。この整理のなかでは主に、政策における対象の拡がりとその間での実践の展開に注目し、若者支援政策における課題を明らかにした。二つめは、ピアスタッフの有効性に関する質的研究である。ここではインタビューデータの分析から、若者支援におけるピアスタッフの有効性とひきこもり支援におけるサポーター養成事業の陥穽、そしてピアスタッフを加えることによるソーシャルワーク実践における関係性の変化を指摘した。三つめに、二つの地域での取り組みに注目し、調査を行なった。一つは、子ども・若者支援地域協議会および総合相談窓口の取り組みに関する調査であり、もう一つは0歳から20歳までのケースの記録を継続して保存し、幼少期から青年期にかけての地域における継続した生活および発達の保障に取り組み始めている地域の取組みに関する調査である。これらの取り組みがひきこもり支援実践のあり方や、ソーシャルワーク全体に問いかけるものは大きいと考え、この取り組みに従事する実践者へのインタビューや参与観察を行なった。四つめに、韓国の若者支援の現状と社会問題として若者の生活の困難さがどのように実践者や研究者に認識されているのかを明らかにするため、ヒアリングを行なった。また、韓国における「家出」青少年への支援に着想を得て、日本において家を出た若者の生活困難実態がどのように報告され、議論されているのかについて整理を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究において想定していたフィールドを一部変更し、調査を行なっているが、その進展についてはおおむね順調である。ひきこもり支援における協同に関しては、ピアという視点からの分析は2014年度において一定完了した。地域における協同に関しては、二つの地域における調査を現時点でほぼ終了し、データを分析する段階にある。そのため、調査はおおむね順調に進展していると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
本年度はまとめの年度であり、二つの地域で行なった調査のデータ分析を調査先の実践者や他研究者に意見をもらいつつ進め、検討を完了したい。また、若者支援政策は短期間で次々と変化が生じているため、それらのレビューも行いつつ、研究のまとめを行なっていきたい。
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