研究課題
本研究では、一股地域住民を対象とした大迫研究、高血圧患者を対象としたHOMED-BP研究・J-HOME研究、および高血圧患者・糖尿病患者など各種患者を対象とした東北大学病院データベースを基としており、それぞれについて以下のような進展があった。大迫研究では、既存のデータベースを用い、生活習慣と脳心血管疾患およびそのリスクとなる疾病の関連に影響する個人差(基礎特性・環境因子など)を解析できるようにデータセットを作成し、さらに予後・死因情報の延長を行った。また、動物性タンパク摂取と脳心血管疾患が一因となる高次生活機能低下に性別が影響すること、食塩摂取と高血圧の関連に内分泌物質アルドステロンが影響する可能性、高血圧が脳卒中発症リスクを2倍高めることを確認し、これら成果を論文・学会にて発表した。HOMED-BP研究では、各種降圧薬の服用開始日を基準日として家庭血圧データを整理した。その他の患者情報(性別、年齢、体重など)に関しても欠損値・異常値処理などデータクリーニングを行っている段階に至っている。一方で、アルドステロン受容体拮抗薬エプレレノン服用者の家庭血圧値がデータベース化されたため、エプレレノン服用後の降圧度を算出し、進捗データを原著論文として報告した。同様に、約3,500名を対象としたJ-HOME研究の血圧・患者特性データも整理している。アンジオテンシンII受容体拮抗薬イルベサルタンを対象薬としたJ-HOME-ALB研究においては、家庭血圧値のデータベース化がなされ、降圧度に関する結果を学会にて発表した。得られた降圧度情報を基に、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の薬効に影響する基礎特性の検討、および報告が速やかに可能な状態にある。東北大学病院データベースについては、薬歴データや検査データを取得する手筈が整った段階である。今後の大学病院の大規模な患者を対象としたデータベースの構築に進展があった。
2: おおむね順調に進展している
脳心血管疾患およびそのリスクとなる疾病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)の予防・治療のための薬物治療・生活習慣に影響する個人差を検討するためのデータベースの構築が順胴に行われている。また、既存データおよび新規データを用いて得られた進捗データを原著論文等で発表している。
HOMED-BP研究、J-HOME研究、および大迫研究については引き続き追跡調査を行い、データベースの更新等を行う。同時に、既存のデータを用いることで、さらに脳心血管疾患およびそのリスクとなる疾病の予防・治療のための薬物治療・生活習慣に影響する個人差に関する解析を行い、原著論文として結果を発表していく。東北大学病院データベースについては、速やかに東北大学医学部の倫理審査委員会へ、本研究の内容およびデータの利用に関して申請を行う。また、患者の基礎特性などの情報は、電子データとして受諾が可能となる手筈であり、迅速なデータベース化が期待される。
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