研究課題
MCI高齢者を対象に運動介入が認知機能に及ぼす効果をランダム化比較試験により検証した研究は6つと少ない上に、その効果は限局的で一貫性をもった結論を得るまでには至っていない。これらの研究における問題点は、運動介入方法の定義が不明瞭な点であり、どのような時間・内容(強度)・頻度の運動介入がMCI高齢者の認知機能に影響を及ぼすかについて精査されずに実施されている点である。それらを明らかにすることが本研究の中心的課題である。そこで、本研究はまずMCI高齢者を対象に横断調査を実施し、身体活動の構成要素別に認知機能向上に寄与できる身体活動を特定し、具体的に明示することを課題とする。身体活動の各構成要素を客観的かつ定量的に評価するには、加速度計内蔵の活動量計が推奨され、活動量計を用いることで身体活動の運動強度別の活動時間や活動頻度を算出でき、身体活動の時間・内容(強度)・頻度について客観的に定量化することが可能になる。当該年度である、平成25年度においては、研究の第1段階を実施した。受入研究機関においてスクリーニングを実施し横断調査を実施した。横断的調査では、全ての対象者に身体活動や認知機能(MRIを含む)を中心に評価・測定を行った。その結果、脳画像指標と定量化された身体活動量との関係性を検討し、脳の萎縮の程度と身体活動の量が負の相関関係を持っていることが明らかになった。さらに、運動強度別には中強度以上の活動が強く関連していることが分かった。
2: おおむね順調に進展している
計画段階にあった、横断調査のデータ測定ならびに解析がおおむね終了し、論文作成の段階に進んでいるため
計画通り遂行する。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)
Dement Geriatr Cogn Dis Extra
巻: 3 ページ: 398-406
10.1159/000355553.eCollection2013.