研究課題/領域番号 |
13J09495
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
加賀谷 美佳 茨城大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 新たな候補天体の発見 / 国際会議発表 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、超高エネルギー宇宙線加速源候補であるガンマ線未同定天体のうち、赤方偏移が不明な天体について赤方偏移を決定するため、4月と9月の2回、すばる望遠鏡とVLT 望遠鏡へ可視光分光観測の観測提案を提出した。また、我々は候補天体の中から新たに過去の観測で赤方偏移が0.1以下とわかっている5つのガンマ線天体に着目した。これらの天体については、フェルミガンマ線宇宙望遠鏡の 3rd カタログにおいて活動銀河核に分類されていることが調査から明らかになり、超高エネルギー宇宙線加速候補源としての可能性があることがわかっている。また、これらの天体については、過去の多波長観測のアーカイブデータから、電波~ガンマ線の広い波長域において観測実績があることが確認されており、各天体についての観測データの収集を行った。各天体のエネルギースペクトル分布から、超高エネルギー宇宙線を加速できるかどうかについて議論できるため、現在、これらの天体についてデータの解析を行っている。解析には、エネルギースペクトル形状を決定するためのフィッティングモデルが必要となり、このフィッティングモデルを決定するための解析プログラムの作成を行った。平成26年度の段階では、超高エネルギー宇宙線を加速可能かどうかについての結論には至っていないが、平成27年度も継続して解析を行う。これらの調査結果については、平成27年8月の宇宙線国際会議で発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度、可視光分光観測の観測提案が不採択であったため、ガンマ線未同定天体の距離を決めることができず、宇宙線加速候補天体を絞ることができていないため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、すでに天体の距離がわかっているガンマ線天体のうち、赤方偏移が0.1以下で宇宙線加速候補天体となっている天体について、エネルギースペクトル分布を作成し、フィッティングを行い、それぞれのピークフラックスを求める。低エネルギー側のシンクロトロン放射と高エネルギー側の逆コンプトン散乱のピーク比を求めた上で、宇宙線を加速可能な場所(天体のコアかローブか)や、そのサイズについて制限をつけ、宇宙線を加速可能かどうかについて5天体の解析結果を用いて議論する(2015年度の宇宙線国際会議で発表予定)。
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