研究課題/領域番号 |
13J09674
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西田 季里 東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 幼児 / 向社会的行動 / 保育者の声かけ / 自然場面観察 |
研究実績の概要 |
思いやりを支えるという保育指針の文言にもあるとおり、子どもの仲間への共感や配慮、援助の行動を保育者がどのように支えるかは、現在盛んに議論されている”保育者の専門性”の向上を考える上で、重要なテーマである。本研究はこれまで発達心理学であまり調査されてこなかった、自然場面での園児のピアに対する向社会的行動とそれに対する保育者の声かけについて観察調査を行い、保育者の信念や声かけ対応が、園児のピアに対する向社会的行動に影響を与えているのか、与えているとすれば、どのような声かけがどのように影響を与えているのか、また、向社会的行動を支える声かけとは、ということについて明らかにすることを試みた。調査の概要は以下;神奈川県横浜市内の2つの認可保育所(以下、A保育所・B保育所)にて、年中クラス児(A保育所15名、B保育所9名)を対象とし、A保育所2015年9月~現在継続中、B保育所2015年10月~2016年3月、月4回のペースで観察を行った。A保育所ではビデオ撮影を行い、B保育所ではフィールドノートを用いて観察した。午前(9時~12時)はクラス全体を観察、午後(15時~17時)は1人20分ずつ個別観察を行った。観察によって得られたデータは、それが生起した場面、行動主体と客体、行動の種類、有効性、保育者がその状況に含まれていた率、保育者が声かけをした率についてコーディング作業継続中である。また、A保育所では園児の愛着と向社会的行動の関連も考慮するため、人形を用いた物語調査(マッカーサー・ストーリーステム・バッテリー)を行った。これについては、2016年4月以降、2回目の追調査を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、複数の調査地で観察調査および人形を使った物語調査が実施されている。
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今後の研究の推進方策 |
A保育所での観察調査は2016年8月末まで継続予定である。また、A・B保育所で収集したデータのコーディング作業および分析作業を行い、研究としてまとめていく予定である。
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