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2013 年度 実績報告書

恒星の非動径脈動と対流の相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 13J09786
研究機関東京大学

研究代表者

園井 崇文  東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード大質量星 / 脈動 / 対流
研究概要

本研究の目的は、恒星における脈動と対流の相互作用を調べることである。これまで、この相互作用は主にセファイド不安定帯に分布する星について調べられてきた。セファイド不安定帯では、水素、ヘリウムの電離によって外層で対流が起こる。一方、大質量高温度星においては、鉄族元素の電離により外層で対流が起こるが、その脈動への影響が調べられてこなかったのが現状である。そこで、本研究では大質量高温度星における脈動への対流の影響を動径(球対称)、非動径(非球対称)モードについて調べた。
まず、動径モードについては、主系列段階と後主系列段階の星について調べた。その結果、鉄族元素の電離領域で励起されるモードとヘリウムの電離領域で励起されるものがあることがわかった。前者については、電離による熱フラックスの吸収が脈動の励起を引き起こすのに抗して、対流が脈動の減衰させるように作用することがわかった。したがって、対流の効果を入れない場合に比べて脈動の励起が弱まることがわかった。一方、後者のヘリウム電離層で励起されるモードは、対流の効果をほとんど受けないことがわかった。
本研究では、さらに主系列段階の星について、非動径モードを解析したところ、動径モードのように音波で構成される固有モードについては、鉄族元素の電離による励起作用に抗して、対流が減衰させる作用を見せたが、内部重力波モードについては、減衰作用が小さいことがわかった。この傾向は、セファイド不安定帯付近の星のモデルの解析(Dupret et at. 2005, A&A, 435, 927-939)でも見られたものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

これまで、対流と脈動の相互作用は、動径モードを中心に調べられてきたが、非動径モードについても調べることができた。これは、当初の計画であったが、さらに、本研究で初めて、水素、ヘリウムでなく、鉄族元素で起こされる対流の脈動への影響を調べられたため。

今後の研究の推進方策

非動径モードについて、後主系列段階でも調べる。後主系列段階では、恒星の構造が複雑になるため、非動径モードの計算が困難になる。したがって、数値計算の方法を改善していく必要がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Analysis of strange-mode instability with time-dependent convection in hot massive stars2014

    • 著者名/発表者名
      Takafumi Sonoi, Hiromoto Shibahashi
    • 雑誌名

      Proceedings of the IAU Symposium

      巻: 301 ページ: 493-494

    • DOI

      10.1017/S1743921313015214

  • [雑誌論文] Dipole low-order g-mode instability of metal-free and metal-poor main-sequence stare due to the epsilon-mechanism2013

    • 著者名/発表者名
      Takafumi Sonoi, Hiromoto Shibahashi
    • 雑誌名

      ASP conference proceedings

      巻: 479 ページ: 55-59

  • [学会発表] 非常に明るい星の脈動に現れるストレンジモードの励起について2014

    • 著者名/発表者名
      園井崇文、柴橋博資
    • 学会等名
      日本天文学会2014年春季年会
    • 発表場所
      東京都三鷹
    • 年月日
      2014-03-21
  • [学会発表] Analysis of strange-mode instability with time-dependent convection in hot massive stars2013

    • 著者名/発表者名
      Takafumi Sonoi, Hiromoto Shibahashi
    • 学会等名
      IAU symposium 301, Precision Asteroseismology
    • 発表場所
      ポーランド、プロツワフ
    • 年月日
      20130819-23
  • [学会発表] 対流の効果を考慮した大質量星におけるストレンジモードの解析2013

    • 著者名/発表者名
      園井崇文、柴橋博資
    • 学会等名
      日本天文学会2013年秋季年会
    • 発表場所
      宮城県仙台
    • 年月日
      2013-09-12

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公開日: 2015-07-15  

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