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2014 年度 実績報告書

ブレファリズマ属内の種分化における交配フェロモンの役割

研究課題

研究課題/領域番号 13J09855
研究機関奈良女子大学

研究代表者

小林 真弓  奈良女子大学, 人間文化研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード繊毛虫 / 交配フェロモン / gamone 1遺伝子 / 分子進化速度 / 種分化
研究実績の概要

本研究は、繊毛虫ブレファリズマの交配フェロモンの種分化における役割について明らかにすることを目的としている。有性生殖を行うブレファリズマにとって、種分化が起こる過程で生殖隔離が成立することは重要である。交配フェロモンであるgamone 1が異種に対して作用しないことにより、異種間接合が妨げられ、生殖隔離が成立していることが示唆された。
今回、糖タンパク質であるgamone 1の遺伝子の単離を行い、gamone 1の特異性がどのような分子構造の違いにより生じているかを推定した。その結果、gamone 1における変異は種を境に生じていることが分かり、また変異が集中している領域が2ヵ所みられた。一方、糖鎖の推定結合部位を調べたところ、種間で大きな違いはみられなかった。したがって、gamone 1の特異性は糖鎖ではなく、アミノ酸配列の変異により生じた結果であることが考えられた。さらに、gamone 1は、有性生殖とは無関係であるhistone H4, 18SrRNA, α-tubulinの各遺伝子と比べて、異種間における変異が大きいことが分かった。よって、上述した3つの遺伝子に比べて進化速度が速いことが推定され、gamone 1には特異的な作用を持つような適応的な変異が生じた可能性が考えられた。
一般に、性決定遺伝子や配偶子間の接着分子の遺伝子など有性生殖に関わる遺伝子は、有性生殖とは無関係の遺伝子と比べて進化速度が速く、適応的な変異が生じたことにより種分化に寄与した可能性が高いとされている。本研究により、繊毛虫ブレファリズマにおいても、そのような傾向がみられ、gamone 1が種分化に関わっている可能性が高いことを示せた。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Two possible barriers blocking conjugation between different megakaryotypes of Blepharisma2015

    • 著者名/発表者名
      Mayumi Kobayashi, Mamiko Miura, Mari Takusagawa, Mayumi Sugiura, and Terue Harumoto
    • 雑誌名

      Zoological Science

      巻: 32 (1) ページ: 53-61

    • DOI

      10.2108/zs140151

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 繊毛虫Blepharisma属における交配フェロモンgamone1の多様性と種分化2014

    • 著者名/発表者名
      小林真弓, 田草川真理, 杉浦真由美, 春本晃江
    • 学会等名
      日本原生生物学会
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      2014-10-31 – 2014-11-02
  • [学会発表] ブレファリズマの交配フェロモン(ガモン1)の糖鎖構造とその役割2014

    • 著者名/発表者名
      春本晃江, 山岸由和, 岩﨑祥子, 杉浦真由美, 小林真弓, 飯尾英夫
    • 学会等名
      日本原生生物学会
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      2014-10-31 – 2014-11-02
  • [学会発表] 繊毛虫ブレファリズマ属の分類の再検討2014

    • 著者名/発表者名
      小林真弓, 杉浦真由美, 春本晃江
    • 学会等名
      日本動物学会
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      2014-09-11 – 2014-09-13

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公開日: 2016-06-01  

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