研究課題/領域番号 |
13J10114
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
河井 達治 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | 構成的数学 / 位相空間論 / formal topology / コンパクト距離空間 |
研究概要 |
本研究の主な目的は通常の位相空間論において最も重要な概念の一つであるコンパクト性について、Bishopの距離空間におけるコンパクト性(完備・全有界性)と両立するようなformaltopologyの概念を特徴付け、そのように特徴付けられたformal topologyのクラスが良い性質を持つことを示すことである。 平成25年度は、Bishopの距離空間におけるコンパクト性と両立するようなformal topologyの概念を特徴付けることを試みた。主な結果は次の二つである。 まず、既存の開被覆族による一様空間の定義を見直すことにより、コンパクト一様空間の圏からコンパクトformal topologyの圏への埋込みを構成した。この結果は、コンパクトfomal topologyが、開被覆によって定義されるコンパクト一様空間の拡張であることを意味する。 その後、Palmgrenによって構成されていた、コンパクト距離空間の圏からコンパクト・正則formal topologyの圏への埋込みの像を、formal topologyの概念によって特徴付けた。コンパクト距離空間のこのような位相的な特徴付けは、構成的数学ではこれまで知られていないものである。これにより、Bishopのコンパクト距離空間に関する事実をformal topologyにおいて証明することが可能となった。本年度は、その一例として、「全てのコンパクト距離空間がCantor空間からの一様連続写像の像である」という有名な事実を、本研究で特徴付けたコンパクト距離空間に対応するformal topologyの事実として証明できることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に達成を予定していた目標は、おおむね達成できた。その理由は、一様空間からの埋め込み関手の詳細な分析結果を、二つ目の結果に繋げることができたためである。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では、本年度に特徴付けた、コンパクト距離空間に対応するformal topologyの研究に焦点を移す。具体的には以下の研究を予定している。 1. Bishopのコンパクト距離空間における主要な定理を、fomal topologyにおいて証明する。 2. 上記によって特徴付けられたformal topologyと同値となる別の特徴付けを探る。
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