研究課題/領域番号 |
13J10270
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
斉 威 香川大学, 工学部, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | フーリエ分光 / 広視野分光 / 中赤外分光イメージング / 輻射熱 |
研究実績の概要 |
日常生活空間でも応用可能な生体組織の定量化分光断層イメージングの実現に向けて,世界初で手のひらサイズ中赤外広視野フーリエ分光イメージングユニット(奥行き56[mm]*幅69[mm]*高さ43[mm],重量:500g)の試作に成功した.本分光イメージングユニットはノートパソコンのみで操作可能であり,システム全体で極めて可搬性の高い分光計測装置の提供が可能である.まず,CO2レーザーの輝線スペクトルを取得することにより,提案手法の原理確認を行った.また,双曲面ミラーを対物レンズに用いた全方位の分光イメージングの実証実験も成功している.この研究成果が光と画像の技術月刊誌「OplusE」特集「計測技術にみる」2015年3月号にも記載された. 日常生活空間のように,非整備環境であっても,計測可能な中赤外フーリエ分光イメージング装置の実現を目指している.提案手法である結像型2次元フーリエ分光法は準共通光路型波面分割干渉計であることから機械振動に強く,除震構造が必要ないため,軽便かつシンプルな光学系が構築できる.また,長ストロークなバイモルフ型インパクト駆動を位相シフターのアクチュエータとして導入することで,低価格な中赤外フーリエ分光イメージング装置の構築が可能になる.さらに,中赤外フーリエ分光イメージングであることから,計測対象自らの輻射熱を利用することにより,計測対象物にアクティブな照明の必要がないために,広視野で分光イメージングも実現できる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
長ストロークなバイモルフ型インパクト駆動を位相シフターのアクチュエータとして導入することで,キーパーツである位相シフターの小型が実現できた.また,インパクト駆動が低価額であるため,低価格な中赤外フーリエ分光イメージング装置の構築が可能になる.
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今後の研究の推進方策 |
医学部施設内に整備された医工連携拠点室に於いて、定量化分光断層イメージングによるマウスなどの小動物を用いた生体成分濃度計測評価を行う。これは、糖尿病研究が専門の医学部薬理学教室 西山成教授、先端医療開発センター 村尾孝児センター長の研究グループと共同で実施する。また、企業(テルモ、キヤノン、日立ハイテクノロジーズ)と共同して、血糖値のみならず、中性脂肪やアルブミンなどの診断に役立つ計測対象選定を実験的に行う。
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