研究課題
エネルギー問題を解決するキーテクノロジーの代表格である太陽電池は、現在様々な材料、手法で活発に研究がおこなわれており、低コスト、高効率達成が急務とされている。その中でも、新規材料であるケステライト化合物Cu_2ZnSn(S, Se)_4(=CZTSSe)は、レアメタルを含まず、且つ構成元素が地球上に豊富にあるため低コストであり世界中で活発に研究されている。しかしながら、薄膜太陽電池への応用研究が先行しており、基礎研究であるバルク単結晶成長や基礎物性評価の報告は非常に少ない現状である。基礎研究が少ない原因として、これらの材料は融液からの冷却過程において複雑な相転移を示すため、一般的な融液成長からの単結晶成長が非常に困難であるからである。本研究では、CZTS系単結晶成長確立と単結晶を用いた基礎物性評価という基礎研究に注目し、まだまだ未知な物性を明らかにすることにより、更なる太陽電池高効率化への知見を提供する事を目的として取り組んできた。本研究で得られている高品質なCZTSe単結晶を用いて、ホール効果温度変化測定から電気的特性である伝導メカニズム、キャリアの活性化エネルギー等の解明を行った。その結果、CZTSeもCZTSと同様に化学量論組成においても固有点欠陥の多い材料であり、この多数存在する点欠陥間をキャリアが移動するホッピング伝導が支配的であることを突き止めた。Cu(In, Ga)Se_2(CIGS)太陽電池の高効率化に必要なNaをドーピングし、電気的特性に与える影響を調査し、0.1 mol%以下でNaをドーピングすることでキャリア濃度、移動度が向上することを明らかにし、低温100K以下で支配的である不純物散乱の影響を低減することを突き止め、CZTS材料では世界初の電気的特性に与えるNa効果の報告した。これらの良質な単結晶から得られた評価結果は、更なる高効率化へ知見を与えるとともに、CZTS薄膜多結晶を評価するうえで重要なリファレンスになる。
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Renewable Energy
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