研究課題/領域番号 |
13J10375
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古田 雄一 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | シティズンシップ教育 / 地方教育学区 / カリキュラムマネジメント / パブリック・アチーブメント / アメリカ |
研究概要 |
本年度は、理論研究等を進めていく中で、当初の研究の方向性を微修正したが、全体としてはおおむね順調に研究を進めることができた。当初は、対象としてアメリカにおけるシティズンシップ教育全般を扱う予定だったが、その後、シティズンシップ教育の中でも、社会参画・変革の実践を通して児童生徒の市民性を育む、action civicsと呼ばれるような教育実践に中心的に焦点を当て、そうした実践を支える教育経営・行政のあり方について探究することとした。特に、action civicsの中でも、理論・実践ともに蓄積のあるPublic Achievement(パブリック・アチーブメント)という取り組みを中心に、研究を進めてきた。 具体的には、まず理論研究としては、アメリカの教育行政にかかわる文献、アメリカのシティズンシップ教育全般やaction civicsに関する文献、Public Achievementの理論と実践に関する文献など、幅広く収集しながら読み込みを行った。その中で、Public Achievementやaction civicsを広く持続的に展開する上で、またその質を維持・向上していく上で、教育経営・行政上の役割が重要であるという示唆や、具体的に求められる役割などが一定程度明らかになってきた。 加えて、実地研究としては、アメリカ・ミネソタ州に計2回足を運び、Public Achievementの実践現場のフィールドワーク、実践の関係者などへのインタビュー、資料収集などを行ったほか、シティズンシップ教育や若者の市民的関与に関する研究センターであるTheCenter for Information and Researchon Civic Learning and Engagement (CIRCLE)を訪問し、インタビューおよび資料収集を行った。これらの結果、理論研究とあわせて、Public Achievementの実践を支える基本的原理および具体的実践の方法、またそうした性質上どのような経営・行政的支援が必要であるかということが明らかになってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、研究を進める過程で当初の方向性を微修正し、シティズンシップ教育の中でも、社会参画・変革の実践を通して児童生徒の市民性を育むaction civicsと呼ばれるような取り組み(特にその中でもPublic Achievementという教育実践)に焦点化したものの、文献調査およびアメリカでの2回の実地調査を進めることができ、全体としてはおおむね順調に研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、Public Achievementの追加実地調査(5月に実施予定)およびさらなる文献調査などを通して、Public Achievementの実践の理論・方法およびそれを支える経営・行政への視点をまとめるとともに、これらの成果を、学会発表および論文投稿などを通して、発表していきたいと考えている。
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