研究課題
IEEE 802.11sで標準化されている無線メッシュネットワーク(Wireless Mesh Network/ : /WMN)の研究が活発化していそ。WMNはインフラを使わず、無線LANをバックボーンとして使用するネットワークアーキテクチャである。そのため、ルーラルエリアや災害地、緊急ネットワーク等への適用に期待が高まっている。本研究ではバックボーンとなるメッシュルータの配置を最適化することにより、通信性能を向上することを目的としている。当該年度は、実装したメッシュルータ配置システムWMN-GA、WMN-SA、WMN-HCを用いた配置最適化シミュレーションと、ns-3を用いた通信シミュレーションを行った。実施した研究テーマを以下に示す。1)様々な環境を想定したメッシュルータ配置システムの性能評価2)様々な知的アルゴリズムとの性能比較3)ネットワークシミュレータ(ns-3)を用いた通信シミュレーションと性能分析1)様々な環境を想定したメッシュルータシステムの性能評価を行ったシナリオについて述べる。WMN-GAにおける様々な遺伝的オペレータのパラメータチューニング、メッシュルータ配置システムWMN-GAにおける進化計算過程の可視化およびアニメーション、様々なメッシュルータ初期配置法の実装、モバイルメッシュクライアントの実装、メッシュノード配置領域の大きさと形(グリッドシェイプ)を変化させた環境、メッシュノードの密度を変化させた環境、以上のシナリオについて性能評価を行った。2)メタヒューリスティクスである遺伝的アルゴリズム、焼き鈍し法、山登り法をメッシュルータ配置システムとして実装した。それぞれのメタヒューリスティクスを用いてメッシュルータ配置システムで性能比較を行った。3)ネットワークシミュレータを用いて、1)で想定した環境を再現し、通信シミュレーションおよび性能分析を行った。
1: 当初の計画以上に進展している
当初の研究計画通り進展しており、今年度は査読付き国際論文誌に3編(第1著者2編)、学会発表は19編(第1著者5編)である。またFTRA ITCS'13で論文1編がBest Paper Awardを受賞した。
WMNは現在研究が活発に行われている。ルーラルエリアや緊急ネットワーク、都市ネットワークとしても用いられ、適用領域は多岐にわたる。以下に今後の研究の推進方策について示す。1)経験的にメタヒューリスティクスのパラメータチューニングを行ったため、タグチメソッドによるパラメータ設計を行って様々なメタヒューリスティクスのパラメータ設計と、フリードマン検定を用いた様々なメッシュルータ配置法の比較を行う。2)メッシュルータ配置システムで得た配置結果に基づいてns-3でシミュレーションシステムを実装し、通信シミュレーションを行っている。加えてさらに多くの環境を想定して通信シミュレーションを行う。3)小規模な環境におけるWMNの実験は世界的にあまり行われておらず、WMNテストベッドを実装し、実験を行う。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (19件)
Personal and Ubiquitous Computing
巻: Volume 18, Issue 2 ページ: 261-269
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