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2014 年度 実績報告書

低密度鏡を用いた輻射圧揺らぎの観測

研究課題

研究課題/領域番号 13J10490
研究機関東京大学

研究代表者

松本 伸之  東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード巨視的量子力学 / 量子反作用 / 重力波検出器 / 測定限界
研究実績の概要

あらゆる測定系は、被測定物とプローブから成り立っており、それらの間の相互作用の影響を観測することで様々な情報を取得することが可能となる。レーザー干渉計型重力波検出器においては、懸架された鏡は重力波に対するプローブとして働き、その到来に対し位置の変動という応答を示す。他方、懸架鏡は被測定物でもあり、この場合プローブは鏡に照射されるレーザー光である。重力波によって揺らされる懸架鏡の位置の変動は、鏡表面で反射したレーザー光の位相変動から測定される。

このような測定には、量子雑音限界と呼ばれる測定限界が存在する。本研究ではその一つである量子反作用に注目している。これは、プローブである光の量子揺らぎが鏡に運動量変動を与える擾乱のことである。将来の重力波検出器の感度は、この輻射圧の揺らぎによって制限されるため、その低減技術の確立が重要な課題となる。低減技術検証のためには輻射圧揺らぎに駆動される鏡を用意する必要があるが、それは巨視的なスケールにおいて実現していなかった。また、量子反作用はレーザー光の量子力学的状態を反映するため、これを精密に測定することが出来れば、レーザー光と巨視的な物体(懸架鏡)の量子相関を検出することが可能となる。従って、輻射圧揺らぎの影響は低減されるべき‘雑音’であるのみでなく、懸架鏡を含んだ巨視的な系における量子力学の検証のための‘信号’としての側面も併せ持つ。従って、懸架鏡に及ぼす輻射圧揺らぎの影響を評価することは興味深い。

本年度は、昨年度に引き続き本研究の目標であった輻射圧揺らぎの観測実験を行った。その結果、本測定における本質的な雑音である熱的搖動力の影響よりも、量子輻射圧揺らぎの方が大きくなる測定系を開発することに成功した。昨年度の測定では、その比率は約0.3程度であったが、本年度に実施した装置改良によってその値を約1.4まで上昇することに成功した。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Optically trapped mirror for reaching the standard quantum limit2014

    • 著者名/発表者名
      N. Matsumoto, Y. Michimura, Y. Aso, and K. Tsubono
    • 雑誌名

      Optics Express

      巻: 22 ページ: 12915-12923

    • DOI

      10.1364/OE.22.012915

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Development of the 5-mg suspended mirror driven by the measurement-induced back-action2015

    • 著者名/発表者名
      N. Matsumoto
    • 学会等名
      Workshop on Hierarchy of Quantum Mechanics
    • 発表場所
      Institute for Molecular Science, Okazaki, Aichi, Japan
    • 年月日
      2015-02-21 – 2015-02-23
    • 招待講演
  • [学会発表] Classical Pendulum Feels Quantum Back-Action2014

    • 著者名/発表者名
      N. Matsumoto
    • 学会等名
      GWADW2014
    • 発表場所
      Hida Hotel Plaza, Takayama, Gifu, Japan
    • 年月日
      2014-05-26 – 2014-05-30
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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