• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

ハイドロゲル微粒子混合系におけるコロイド安定性の制御および新規機能性材料創製

研究課題

研究課題/領域番号 13J10547
研究機関信州大学

研究代表者

堀込 幸司  信州大学, 総合工学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードハイドロゲル微粒子 / 気液界面
研究実績の概要

これまでは、アクリルアミド誘導体の一種であるpoly(N-isopropylacrylamide)(pNIPAm)ゲル微粒子が、気水界面に吸着し、配列、そしてその構造を維持したまま基板上に転写され、薄膜を形成するという過程を明らかとしている。しかし、これまでの検討は、上述した化学種のみの現象しか追えていない。そこで、当該年度においては、これまで行ってきた検討をさらに深めるために、pNIPAmだけでなく、まずはNIPAmに見られるアクリルアミド誘導体の骨格に注目し検討を行なってきた。気水界面での各種ゲル微粒子の気液界面吸着能の評価のため、pNIPAmゲル微粒子とpoly(acrylamide)を主な構成要素とした2種類のゲル微粒子分散液の表面張力をWilhelmy法により測定し比較したところ、前者は25 °Cにおける水の表面張力(~72 mN/m)を低下させるが、後者は低下させないということが分かった。両者の構造を比較すると、NIPAmモノマーに見られる両親媒性の構造が、pNIPAmゲル微粒子が気水界面に吸着する一つの要因だということがわかった。さらに検討を深めるため、上述したアクリルアミド誘導体以外の粒子にて検討を進めたところ、モノマーでは水の表面張力を低下させるものの、ゲル微粒子となった際には、水の表面張力を低下させないという結果が得られた。実際に光学顕微鏡により、上述した時も微粒子の挙動を光学顕微鏡により観察すると、気水界面でのブラウン運動の有無が異なることが分かっている。よって以上の結果から、上述した両親媒性の構造だけでなく、水媒体中でのゲル微粒子の形態も、気水界面でのゲル微粒子の挙動に影響を与えているということが新たにわかってきている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度において、研究実施内容に記載した現象が、ゲル微粒子を構成する高分子鎖が両親媒性の性質を持つだけでなく、媒体中での微粒子の形態も関与してくるということを明らかとしているため。

今後の研究の推進方策

さらに上述した現象を深く掘り下げていくため、今回注目したアクリルアミド誘導体の検討の他にも、荷電基の影響についても検討を試みる。評価法は、表面張力測定と光学顕微鏡観察を軸とし、これまでの結果との比較から、ハイドロゲル微粒子における乾燥現象の立ち位置を明らかとし、上記現象の体系化を試みる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 気水界面におけるアクリルアミド誘導体ゲル微粒子の自己集積化2015

    • 著者名/発表者名
      堀込幸司、鈴木大介
    • 雑誌名

      Colloid & interface communication

      巻: 40 ページ: 34-35

  • [学会発表] Dynamics of binary mixtures of cationic and anionic microgels at the air water interface2015

    • 著者名/発表者名
      Koji Horigome, Daisuke Suzuki
    • 学会等名
      249th ACS National Meeting
    • 発表場所
      Colorado Convention Center(Denver, USA)
    • 年月日
      2015-03-22 – 2015-03-26
  • [学会発表] INFURUENCE OF THE SURFACE STRUCTURE OF MICROGELS ON ADSORBING AT THE AIR/WATER INTERFACE2014

    • 著者名/発表者名
      Koji Horigome, Masaki Murai and Daisuke Suzuki
    • 学会等名
      Polymer Networks Group Meeting & Gel Symposium 2014
    • 発表場所
      Ito International Research Center(東京都文京区)
    • 年月日
      2014-11-10 – 2014-11-14
  • [学会発表] 正・負電荷を示す高分子ゲル微粒子の秩序構造形成ダイナミクス2014

    • 著者名/発表者名
      堀込幸司、鈴木大介
    • 学会等名
      新学術領域研究「動的秩序と機能」第1回若手研究会
    • 発表場所
      ラフォーレ蔵王(宮城県刈田郡)
    • 年月日
      2014-09-28 – 2014-09-30
  • [学会発表] ゲル微粒子の気液界面吸着挙動2014

    • 著者名/発表者名
      堀込幸司、鈴木大介
    • 学会等名
      平成26年度 繊維年次大会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都江戸川区)
    • 年月日
      2014-06-11 – 2014-06-13
  • [学会発表] Observation Of Swollen Microgels By SEM Using Water-soluble Ionic Liquids2014

    • 著者名/発表者名
      Koji Horigome, Takeshi Ueki and Daisuke Suzuki
    • 学会等名
      63th SPSJ Annual Meeting
    • 発表場所
      Nagoya Congress Center(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2014-05-28 – 2014-05-30
  • [学会発表] ゲル微粒子の構造と気液界面吸着現象2014

    • 著者名/発表者名
      堀込幸司、鈴木大介
    • 学会等名
      第63回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2014-05-28 – 2014-05-30

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi