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2015 年度 実績報告書

結核菌感染における疾患感受性遺伝子ならびに薬剤治療有効性決定遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 13J10599
研究機関東京大学

研究代表者

大前 陽輔  東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2013-04-26 – 2016-03-31
キーワード結核症 / ゲノムワイド関連解析 / 菌体ゲノム / 宿主ゲノム / タイ王国
研究実績の概要

本研究計画の目的は、結核菌による感染症である結核症について、病状の発症並びに薬剤治療有効性に与る宿主の遺伝的要因を、結核菌の遺伝的背景の情報と患者のゲノム情報とを統合的に解析することで、結核菌の遺伝的背景ごとに特徴的な感染メカニズムや薬剤治療応答メカニズムを明らかにすることである。
これまで、受入研究室の先行研究によるゲノムワイド関連解析(GWAS)により同定されていた若年性結核における発症関連因子MAFBに対して、結核菌の遺伝的背景の情報を加えた解析を行い、特定の遺伝系統でのみ発症関連遺伝子MAFBのリスクが有意に上昇することの再現性を得た。本成果は結核症のリスク遺伝要因を同定するうえで、病原菌である結核菌のゲノム情報も考慮することが重要であることを示しており、本年度に開催された第13回国際人類遺伝学会にて口頭発表を行った。さらに本年度は、MAFB以外の宿主の結核発症リスク遺伝子についても解析を進め、タイ王国で収集した北京型株感染患者270例、非北京型株感染患者420例、健常者782例によるゲノムワイド関連解析の結果、1番染色体13pの領域に非北京型株感染群で老年性の結核発症とより強い関連を示すSNPを見出し、このSNPは多重検定の補正を考慮しても有意であった。対してこのSNPは北京型感染患者群では有意な関連を示さなかった。当該SNPは白血球の細胞表面抗原の一種を発現する遺伝子の近傍に位置しており、その遺伝子は先行研究で細胞への結核菌感染実験において発現量が変動する遺伝子にリストされていたが、これまでヒトにおける結核発症との関連は報告されておらず、新規の結核発症の分子機構を示唆するに至った。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] タイ保健省医科学局/マヒドン大学(タイ)

    • 国名
      タイ
    • 外国機関名
      タイ保健省医科学局/マヒドン大学
  • [国際共同研究] ヤルシ大学(インドネシア)

    • 国名
      インドネシア
    • 外国機関名
      ヤルシ大学
  • [雑誌論文] Principles and Practice of Genome-wide Association Study (ゲノムワイド関連解析の原理と実際)2015

    • 著者名/発表者名
      大前陽輔、徳永勝士
    • 雑誌名

      特集;内分泌科医が理解しておきたい遺伝学の新しい潮流、ホルモンと臨床

      巻: 62(2) ページ: 125-131

    • 査読あり
  • [学会発表] Pathogen lineage based genome-wide analysis of host genetic risk factors in tuberculosis2016

    • 著者名/発表者名
      大前陽輔, Surakameth Mahasirimongkol, 豊岡理人, 野内英樹, Supalert Nedsuwan, Sukanya Wattanapokayakit, Nat Smittipat, Prasit Paliittapongarnpim, Pathom Sawanpanyalert, Nuanjun Wichukchinda, Ekawat Pasomsub, 莚田泰誠, 久保充明, 徳永勝士
    • 学会等名
      第16回生命科学シンポジウム
    • 発表場所
      21KOMCEE(東京都目黒区)
    • 年月日
      2016-04-23 – 2016-04-23
  • [学会発表] Pathogen lineage based analysis of host genetic risk factor in young onset tuberculosis2016

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Omae, Surakameth Mahasirimongkol, Licht Toyo-oka, Hideki Yanai, Supalert Nedsuwan, Sukanya Wattanapokayakit, Nat Smittipat, Prasit Paliittapongarnpim, Pathom Sawanpanyalert, Nuanjun Wichukchinda, Ekawat Pasomsub, Taisei Mushiroda, Michiaki Kubo, and Katsushi Tokunaga.
    • 学会等名
      The 13th International Congress of Human Genetics (ICHG)
    • 発表場所
      京都国際会館(京都府京都市)
    • 年月日
      2016-04-03 – 2016-04-07
    • 国際学会
  • [備考] 人類遺伝学教室ホームページ 結核研究について

    • URL

      http://www.humgenet.m.u-tokyo.ac.jp/research/1-5.html

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公開日: 2016-12-27   更新日: 2022-02-01  

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