研究課題/領域番号 |
13J10638
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
玉井 太一 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | ヘテロ原子 / ラジカル反応 / 遷移金属触媒 / 付加反応 |
研究概要 |
日本において、世界的な生産量を誇る硫黄、セレンやテルルといったヘテロ原子を導入した化含物が、特異な反応性や生化学的な特性などの優れた特性を示すことが明らかとされている。そこで、これらの日本特産資源をより付加価値の高い物質へ変換する手法の開拓として、ヘテロ原子の導入を伴った新規な反応の開発は医薬学的、材料化学的、合成化学的に重要とされている。そこで、ヘテロ原子の導入を伴った高機能分子の革新的な合成プロセスの開発を目指し研究を行った。 本年度は、ジフェニルジセレニドやジフェニルジテルリドといったヘテロ原子の光反応特性を活かすことで、不飽和結合に対してフッ素官能基(ペルフルオロアルキル基)を直裁的に導入する手法を含む一連のラジカル反応についてまとめ国際誌に投稿・掲載された。通常、導入に他段階を必要とするフッ素官能基を光照射という穏和な条件において、一段階で導入する反応を構築しその一般性を広めた。さらに、ラジカル反応との反応性を比較するために、遷移金属触媒反応を用いたヘテロ原子の導入を伴う新規反応の開発にも積極的に取り組んだ。その結果、一酸化炭素加圧条件下においてコバルト触媒を用いることで、不飽和結合に対してヘテロ原子である硫黄官能基の導入と増炭反応を一挙に行う反応を構築することに成功した。この反応では、生物活性を有する物質によく含まれるラクトン骨格を一段階で構築することができ、非常に高原子効率な反応である。この成果をまとめ国際誌に投稿・掲載された。さらに、パラジウム触媒を用いることで、不飽和結合に対してセレン官能基を同時に2つ導入する新規反応についても見出した。ハロゲン元素などの脱離基を用いない廃棄物を出さないプロセスでの反応を達成し、この成果をまとめ国際誌に投稿・掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していたヘテロ原子の導入を伴った簡便なキノリン骨格の構築については達成できていないが、遷移金属触媒や光反応を用いて、ヘテロ原子(硫黄、セレン、テルル、フッ素)の導入を伴ったラクトン骨格の構築や不飽和結合に対する様々な反応を多数開発することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策にっいては、今までと同様にヘテロ原子の導入を伴った高機能分子の革新的な合成プロセスの開発を目指し引き続き研究を行う。当初の計画では、ヘテロ原子のラジカル反応特性のみに注目し研究をする予定であったが、遷移金属触媒反応にも注目し研究を行う。ヘテロ原子の金属触媒反応はいまだ未開拓な分野であり、解決されていない問題が多数存在する。そういった問題を解決し、ヘテロ原子の導入を伴った高機能分子の革新的な合成プロセスの開発を目指して研究を進める。
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