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2014 年度 実績報告書

海馬CA3錐体細胞の樹状突起における情報処理メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 13J10658
研究機関東京大学

研究代表者

小林 千晃  東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードシナプス / 樹状突起 / カルシウム
研究実績の概要

申請研究では、海馬CA3の錐体細胞は、シナプス入力の時空間パターンを情報として読み取り、さらに情報演算を行っていると考えている。特に、海馬CA3の機能は、樹状突起の領域ごとにシナプス入力の時空間的なまとまりの程度を変えることで実行されるという仮説を立て検証している。
本研究において、昨年度に確立した高速機能的多スパインカルシウム画像法とパッチクランプ記録法を組み合わせることで、海馬CA3錐体細胞樹状突起におけるシナプス入力パターンと興奮性シナプス後電流(EPSC)との関係を調べたところ、全てのシナプス入力が細胞体でEPSCとして記録されるわけではないことを発見している。本年度では、同手法を用いてデータ取得・解析を行い、本現象のメカニズムの解明を目指した。申請研究で注目したのは、シナプス入力時の樹状突起スパインヘのカルシウム流入量やスパインの構造、細胞体との距離である。その結果、これらのパラメータと本現象との間に関連はないことがわかった。そのため、本現象がより高次のシナプス入力パターンに依存している可能性があり、次年度において検証する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度確立した高速機能的多スパインカルシウム画像法を用いて、データ取得と解析が進展したため。また、その結果から次年度の研究指針を立てることができたから。

今後の研究の推進方策

今後はより複雑なシナプス入力の時空間パターンとして申請時に仮説を立てた時空間的なまとまりの違いに注目する。また、本現象と抑制性シナプス入力との関係についても検証する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Ex vivo cultured neuronal networks emit in vivo-like spontaneous activity2014

    • 著者名/発表者名
      Okamoto K, Ishikawa T, Abe R, Ishikawa D, Kobayashi C, Mizunuma M, Norimoto N, Matsuki N and Ikegaya Y
    • 雑誌名

      Journal of Physiological Sciences

      巻: 64 ページ: 421-31

    • DOI

      10.1007/s12576-014-0337-4

    • 査読あり
  • [学会発表] 抑制性シナプス入力による興奮性シナプス入力の無効化2014

    • 著者名/発表者名
      小林千晃、松木則夫、池谷裕二
    • 学会等名
      第37回日本神経科学大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2014-09-11
  • [学会発表] シナプス活動の時空パターン2014

    • 著者名/発表者名
      池谷裕二、小林千晃、高橋直矢
    • 学会等名
      電気学会 電子・情報・システム部門大会
    • 発表場所
      松江
    • 年月日
      2014-09-05
  • [学会発表] Inhibitory inputs invalidate excitatory dendritic inputs2014

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi C, Ikegaya Y
    • 学会等名
      9th FENS Forum of Neuroscience
    • 発表場所
      Milan, Italy
    • 年月日
      2014-07-06
  • [備考] 東京大学大学院薬学系研究科 薬品作用学教室

    • URL

      http://www.yakusaku.jp/

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公開日: 2016-06-01  

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