研究課題
横紋筋の膜系とサルコメア収縮系の間の繋がりについて、あまり明らかにされていない。本研究では、膜タンパク質(膜系)に結合が見られ、筋弾性蛋白質コネクチン(収縮系)に関連する、150kDaタンパク質(150K)及びその上流遺伝子から転写される75kDaタンパク質(75K)の解析を通して、膜系とサルコメア収縮系間のネットワークの解明を行うものである。本年度は、150Kと75Kの横紋筋内外での発現をRT-PCRで解析した。さらに、150Kと75Kに対する抗体を用いて、各組織における発現と横紋筋内における局在について調べた。また、骨格筋と心筋のcDNAライブラリーから酵母2-ハイブリット法により、75Kタンパク質に結合するタンパク質の探索を行い、いくつかの候補を得た。さらに、150Kと75K全長の融合タンパク質を哺乳類細胞で発現させ精製を行った。そして、精製したタンパク質を用いて150Kと75Kの化学架橋実験を行い、オリゴマー形成能を調べた。また、骨格筋細胞初代培養実験系の導入を行い、分化した骨格筋細胞中に150Kと75KのGFP融合タンパク質を発現させることで、サルコメア内における局在の観察を行った。これらの結果、ほとんど機能が明らかにされていない150Kと75Kの性質や横紋筋内での役割についての理解が進んだ。今後は筋細胞内での150Kと75Kの発現抑制実験を通して、150Kと75Kの機能を明らかにしていく予定である。
3: やや遅れている
本研究を行うに当たって必要な技術の導入に時間がかかったため。
本研究に当たって必要な技術や試料の準備がおおよそ整ったので、今後はそれらを使って解析を進めていく。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (15件)
Autophagy
巻: 10 ページ: 123-136
10.4161/auto.26841
Open Biol
巻: 4 ページ: 130172 (12pages)
10.1098/rsob.130172