研究課題/領域番号 |
13J10703
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
瀬上 修平 福井県立大学, 生物資源学部生物資源学研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 種子形制御遺伝子 / 収量増加 / QTL解析 / 器官形成 |
研究概要 |
本研究の目的は、種子形制御遺伝子の機能の理解に立った分子育種を行い、種子サイズの大型化による収量増加を成すことである。この目的達成のためには、第一に種子形制御遺伝子をより充実させる必要がある。そこで大粒系統を用いた解析と短粒変異体を用いた解析をそれぞれ行い、さらなる遺伝子源の探索を進めた。〈大粒系統を基点とする研究〉では、極めて大きな種子をつける大粒系統BG23及びLGIOを実験材料に、遺伝解析が容易になった日本晴をかけ合わせた交雑集団を用いたQTL解析を行い、既知遺伝子2つと新奇性の高い遺伝子座を4つ見出す事に成功した。この事は新たな遺伝子源の探索という意味で大きな成果と言える。さらに、遺伝子の機能理解と種子形制御における役割を明らかにするための準同質遺伝子系統(NIL)の作出は、日本晴、T65、コシヒカリでそれぞれおおむね予定通り進められた。〈短粒変異体を基点とする研究〉では、新奇遺伝子座の短粒変異体srs2、srs4、srs6の遺伝解析が進行中であり、今年度はsrs2のポジショナルクローニングによって原因遺伝子の候補領域を700kbまで絞り込む事に成功した。さらに、srs2について次世代シークエンサーによる全ゲノム配列の解読を外注により行い、そのデータから候補となる遺伝子を見出した。srs4及びsrs6に関しては、次世代シークエンサーを用いて、迅速に突然変異体の原因遺伝子を同定する方法であるMutMap法を試みるための材料を作出した。これら短粒変異体は他の短粒変異体との交配も行っており、原因遺伝子が同定できた後は、遺伝学的な種子形制御機構のさらなる解明が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大粒系統を基点とした研究において、新奇性の高い遺伝子座の探索に成功しており、それら遺伝子座を評価するための準同質遺伝子系統の準備もおおよそ順調に進んでいる。短粒変異体を基点とした研究についても、新奇の種子形制御遺伝子の同定に向けて、着実に遺伝解析が進められている。
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今後の研究の推進方策 |
大粒系統を基点とした研究については、既知の主要なQTL座が解析に影響していることが考えられ、問題点と言える。そこで今後は既知の遺伝子座を共通して持つ大粒系統であるBG23とLG10の交雑集団を解析に用いる事で、それら既知遺伝子以外の新たな遺伝子座の同定を試みる。短粒変異体の解析については、原因遺伝子の同定をより迅速に進めるため、次世代シークエンサーを活用した遺伝解析であるMutMap法を取り入れる。
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